ミミズコンポストはじめました。その5

実はミミズの他にも生物を飼っている。ミルワームだ。こいつらはなんでも食べる。だからケージの中は糞だらけだ。あっという間に成虫になり、卵を産む。そして現在は小さいミルワームがたくさん糞の中に紛れてモゾモゾ動いている。この新しく生まれた子供達を別のケージに隔離する、という地道な作業を繰り返しているときに思いついた。

ミミズはこいつらの糞なら食べるのではないか……。

コンビニでヨーグルトを買った時などに貰えるプラスチックのスプーンを使って、ミルワームの子供達を掬わないように気を付けながら糞を掬った。そして、ミミズのケージに入れた。元々あった土とミルワームの糞が混ざらないように土ゾーンと糞ゾーンに分けた。
数日後に確認したが糞の山が崩れていないから食べている様子はない。そこで元々あった土と糞を混ぜて数日後に再び確認した。土がベチャベチャになっていた。サラサラのミルワームの糞が新聞紙以上に水分を吸ったらしい。よく見ると白くて小さい虫がたくさん湧いて所狭しと走り回っている。最悪なことにミミズにもたくさんまとわりついている。死んではいないようだが元気がない。これはもう手の施しようがない、助けることは出来ない、俺はなんて無力なんだ、と観念しベランダに置いてある土のコンポストに、ミミズコンポストの中のものを全て入れた。もしかしたら、瀕死のミミズ達はこの新たな土地で繁栄してくれるのではないか、淡い期待を抱きながら俺はその日の晩御飯の支度に取り掛かった。そしてミミズのことは忘れることにした。

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