【読書メモ】幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと


本書を読んだ理由

以前から、死ぬ時に後悔しないように生きる、というテーマに興味があり、本書を手に取りました。
まだ子どもの頃の記憶ですが、色々な大手術についてのドキュメント番組を観ることがよくありました。その度に、死や病気に対する怖さや、いま健康で生きていられることの有り難みを感じていたものでした。以降、機会のある度に、死ぬときに後悔しないようにということを考えていました。
死ぬ時の後悔について扱った本は数多く出ていて、代表的なところでは、「死ぬ瞬間の5つの後悔(ブロニー・ウェア)」が挙げられると思います。
今回の本は、日々患者さんの死に直面している外科医の著作で、これまで読んだ本とはまた異なる視点が得られるかもしれないと期待して、読んでみました。

印象に残った内容

死はいつも、思わぬ時に思わぬ形でやってくる、ということ。

自分自身も、平均寿命あたりまでは生きて、あまり苦しまずに死ぬ、ということを期待しているところがありました。しかし、そのようなケースは殆ど無いということです。これは、結構ショックなところがありました。

人は生きてきたように、死んでいく。

他人の事を思いやることなく、自分の利益ばかりを考えて生きてきた人は、死を迎えた時に訪ねてくれる人も無く、孤独のうちに死を迎えるのだということです。そして、幸福な死を迎えるためには、幸福で生きることが必要ということでした。死の直前になって、何とかしようとするのでなく、生きている間を充実させることの積み重ねが必要ということだと思います。

幸せに生きるための、筆者からの提案

この提案は、私が想像していたものとは異なっており、参考になりました。私の想像したのは、後悔の無いよう、全ての物事に真剣に取り組むことや、自分にしかできない生き方を追求していく、といったものでした。
著者の提案は、幸せのハードルを下げる、自分の代わりはいくらでも居ると考える、いつ死んでも後悔する生き方をする、といったものでした。このような考え方をすることで、気楽に、自分のやりたいことに、どんどん挑戦していくことができるように感じました。

本書を読んで

本書を読んで、改めて、死がいつ来てもおかしくないということを常に心に留め、残された時間を大切に日々を過ごしたいという思いが強まりました。

死を意識することの大切さは、理解しているつもりではありますが、難しいと感じるところもあります。本書のような本を読んだ後などは決意が強くなるのですが、時間が経つにつれて決意を忘れたり、日々のやらなければならないことに紛れてしまったりします。

筆者のように、死といつも向き合っている人は、死を意識する機会が自然と多くなるかと思います。しかし、そのような機会が少ない人にとっては、死について思い起こすことを意識的に繰り返して、習慣化する必要があると感じました。


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