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50代のおばさんがうつ病になりました。【12】

 なんだかんだと時が経ち、うつ病の診断から半年以上が経った。
 当初は、一ヶ月で克服してやる!と息込んでみたものの、そう簡単には完治するものでもないことも身をもって知った。
 それは、症状がとても軽くなり、発症前の状態に近くても完治という言葉を使わず、寛解という言葉を使うことにも現れていると思う。
 とても症状が和らいで「私、もう大丈夫かも」と油断していても、また強い症状に襲われることもある。
 私が半年以上の療養で学んだことは、以前の私には戻れないということ。うつ病と共に生きていくということだ。私は次のフェーズに移ったのだと。そう考えた方が気も楽だ。

 ■身体に無理をさせない
 ■規則正しい生活を心がける
 ■ストレスを溜めないようにする
 ■できるだけ散歩

 この上記の四つの基礎行動を心がけている。これを心がけることによって症状が楽になってきていることは間違いない。とても普通のことなのだが、以前の私は出来ていなかったことばかりだ。どうだろうか、皆さんは出来ているだろうか。
 お勤めをして、家事、育児、これだけで疲労困憊。忙しく自分に構っていられないのが現実に思う。ごく普通に出来ることではない。私は療養期間をとることによって、やっと出来るようになった。
 この上記の四つは、以前のような生活に戻ったら必ずと言って良い。出来ない。次のフェーズに移った私なのだから、以前の生活には戻らず自分を守る四つの基礎行動を続けていく。

 この話しを受診の際、医師にも話した。
「とても良いですね。その考え方良いと思います」と言われた。
「どうですか?そろそろ趣味とかする気になってきましたか?」と聞かれたが、それにはまだお尻が重い。
「そうですか。まだもう少しかかりますね。でも、必ず趣味をしたくなる日はきます!大丈夫ですよ」とのことだった。
 それから、私は療養期間に入ってから気がついたことがある。それも医師に伝えた。
 ちょっとした強い口調の言葉、怒鳴り声を聞くと、自分に投げかけられた言葉でなくても辛くなり、寝込みたくなること。その一方で、時間に余裕があるせいか、お薬がそうさせてくれているのか、私は常に穏やかでイライラすることが減ったのだ。このことも医師に話した。
「怒鳴り声などは、やはり脳に刺激が強く入ってしまうんでしょうね。脳の処理能力が回復するのは時間がかかります。」とのことだった。イライラが減ったことについては、お薬の効果もあるかもしれないが、いずれにしても良い兆しとのことだった。

 趣味は出来ていないのだが、このように、こういった文章を書き、見ず知らずの方が読んでくださるという喜びを知ってしまったし、またその他にも、外出は疲れるのであまり出来ない分、病状が良くなってきたら行ってみたいところをGoogle map上にマッピングする楽しみも知ってしまった。これは次のフェーズでの趣味と言って良いのではないか。
 とは言え、生活するにはどうしたって経済のことも付いてくる。次フェーズだからといって無経済で暮らせる訳ではない。出て行く金額は変わらない。
 さて、こんな私にもできる仕事なんてあるのだろうか。
 そんな悩みにも、穏やかで焦りもあまり感じない。「なるようになる」と自然と考えられるのだ。お薬のおかげにしろ、まさしく良くなっている兆しではないだろうか。
 しかし、毎晩の夕食作りだけは、穏やかな心を保てない私である。




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