「中先代の乱」

「中先代の乱」鈴木由美

“鎌倉幕府滅亡から二年後の1335年、北条高時の遺児時行が信濃で挙兵。動揺する後醍醐天皇ら建武政権を尻目に進撃を続け、鎌倉を陥落させた。二十日ほど後、足利尊氏によって鎮圧されるも、この中先代の乱を契機に歴史は南北朝時代へと動き出す。”

マイナー中のマイナー激渋戦である、中先代の乱を取り上げた解説本です。最近ジャンプで連載している「逃げ上手の若君」の元ネタです。北条時行が脚光を浴びるなんて、すごい時代になったもんだ(笑)

「太平記前後は小説にしにくい」と司馬遼太郎は言いました。打算に次ぐ打算の連続は、確かに清々しさとは程遠い時代であったかもしれません。しかし裏を返せばそれだけ現実に死に物狂いであった時代。そこに現れる「北条宗家最後の生き残り北条時行」は、なんと8歳!

この不思議な依代のような神輿のような少年が、しかし確かな自我を持って20年近くの歳月を戦い抜いていく「中先代の乱」。
その歴史的意義、軌跡、想いに馳せる一冊です。


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