「証明の読み方・考え方〔原著第6版〕」

「証明の読み方・考え方〔原著第6版〕」
Daniel Solow

証明問題への取り組み方、その戦術を一つ一つ丁寧に解説している数字的思考過程への手引きです。
結構ガチ目な専門的入門書の類なのですが、ちょっと普通とは毛色が違う今まで空白だった部分に特化しています。
それは、
“問題に取り組む時にどのワザを採用するか”

これ結構いままではセンスで片付けられることが多かったんですよ。解答を見た時にその解答自体は理解できても、“いやその最初の一歩の発想どっから来た?”“何食ったらその方針でいこうと思えるの?”っていう(笑)だって実際に問題を解くときは、その方向性は自分で見つけなきゃいけないワケだから。

学校で何かを習う時って、その単元の内容をいかに使っていくか、という練習訓練が主になりますよね。それはそれでとても大切なことなのですが、もっとオープンな問題に接した時に、“どの範囲のどの内容を武器にして取り組むのか”というはじめの一歩の踏み出し方・準備の見通しの部分っていうのはちゃんと教えられる機会が少ないと思うんです。

ことわざで言うと、
“急がば回れ”と“善は急げ”というワザは覚えているけれどどのケースでどちらを用いるのかは出たとこ勝負、みたいな。

本書は、今まであまり体系的に整理されてこなかった数学の証明問題の進路設定が、それぞれ“ワザ化”されて、しかもそれぞれのワザの使い所や向き不向きも合わせて解説されています。センス、インスピレーションのヴェールに隠れたブレーメンの怪物の正体を突き詰め、論理的問題解決のレベルを上げてくれる一冊です。

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