「プロレスって何が面白いんですか?」にあえてまじめに答えようとした時の話:導入編

「プロレスって何が面白いんですか?」

プロレスファンが一度は聴かれたことがある質問だ。僕自身、若い学生にプロレスの話をした時に投げかけられた。その時、僕は(趣味趣向が細分化、多様化する中で他人の趣味に興味を持つなんて、いいことじゃないか。これはうまくプレゼンすれば、プロレスファン仲間が増えるぞ。。)と頭の中に思い浮かんだが、どうも頭の中でまとまらず、「見ればわかるよ」なんて言ってしまい、釈然としない顔をさせてしまった。

うーん、失敗した

それもそのはずで、プロレス自体がドラマ性、ストーリー性、アクション性など非常に多角的な楽しみ方ができ、100人いれば100通りの楽しみ方ができてしまう一種のメディアみたいなものであり、その魅力を一言にまとめるなんて難しいのだ。もはやこれは「映画って何が面白いんですか?」に近い質問だと感じる(筆者は映画も好き)。

でも答えたい、一言でなくとも、5分くれれば

しかし、いろんな視点での魅力を伝えようとすると急に話は泥沼化する、それは
「ショーとして楽しめばいいんですか?」
と切り返されたときに
「そうでもないんだよな〜、、、」
となるからだ。

ここにプロレスというメディア、いやジャパニーズプロレス独特の特殊にかつ強固に結ばれたメディアとファンの間の共犯関係、俗に言う「暗黙の了解」を暴露されたような気がして「そうなんだけど、そうじゃない」と思い今度は自分自身がむすっとしてしまう。

少なくともこれ以上の返しを持ち合わせていない、ここで試合終了。完全に塩試合だ。

こんな経験をしたことはないだろうか?そしてわかるやつだけで楽しもうと思ってませんか?

しかし、我々プロレスファンはあえてここから先の展開に踏み込んでいく必要があるのではないか?
興味の湧かない人を切り捨てて良いのか?
その人は、今は興味がないだけで、実はプロレスファン予備軍(潜在顧客)ではないのか?
プロレスファンなら正しく受け身を取り、返し技を練習する必要があるのではないか?

そんな考えに至ったのでこの連続記事を書こうと思う(一つの記事だと長すぎるため、何回かに分けようと思う)

ここで、この記事のフォーマットを考えてみる。
先にあったように、この記事は若い学生(20代前半)から投げかけられた素朴な質問を題材とする。

この質問者を、プロレスに興味はあるが、もう一歩魅力を知りたい、ハマるきっかけの正当性が欲しいと感じていると仮定している。なので質問者は「格闘技的でショー的な何か」という認識を既に有しているとする

また、筆者の持ち味「得意な戦術」は文化比較(専門ではない)である。ある特定の文化を説明するために「他の文化の文脈」比較して説明を試みようとする。特に、映画、音楽、ゲームなどのポップカルチャー文脈を利用することが多い。

また、今回の記事の振り切ったルールとして、「歴史的な名選手」などの名前は用いない。
これは一つ危惧している、「あの選手の〜」や「この事件が〜」となってしまい、「結局その時が良かったんでしょ」となることを防ぐためである。そして筆者もまたファン歴が長い方ではない。

しかし、この筆者の属性である
「プロレスを盛り上げたい」と思いつつ、
「昭和ファンの最強論争もういいよ」と思いながらも「いや、アイドル的な楽しみ方だけじゃないでしょ」
とも思っているような属性がどのように仲間を増やしていくかが、「プロレスを盛り上げること」だろうと願っている。

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