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母のそばで♡意外なおまけ篇

母が私の家で療養しているから、いろんな人が訪ねてくる。
母の妹とその家族、孫たちとその家族。
お医者さんと看護師さん。
訪問看護の看護師さん。

最も頻繁に来るのは私の妹たち、つまり母の娘たち。
遠くに居て来れない叔母たちは電話。

なかなか忙しいのだ。
でも、もちろん嬉しい。
母との生活は意外なおまけがついてきた。


訪問者のおみやげ


訪問者は何かを持ってくる。
美味しいもの、きれいな花。
楽しい話。笑顔。

どれもどれもありがたく嬉しい。

母は元気そうに見えるけど、そばを離れるには不安がある。
妹がいてくれる間に用事やちょっとした買い物をする。
彼女は動きにくい私を気遣って、新鮮な野菜や魚などを買ってきてくれる。
いつも、ありがとう!

おかげで我が家には常に美味しいものがたくさんある。
私たちも母と一緒に頂く。
こんなことがなければ口に入らないようなものたち。

家の中がキレイ


もう一つ良いことがある。
家が今までよりキレイに保てる。
人が来るからそうじをまじめにする。

母が苦しいときは、ホコリも目に入らないけど、
調子が良いときはマメにそうじをする。

少しでも気持ちよく、動きやすいようにベッド周りを整える。
いつ誰が来ても大丈夫。

玄関を明るくきれいにする(家の顔だ)
窓をキレイに拭く(庭の花がきれいに見える)
トイレを磨く(心も磨け!)
洗面所を整える(鏡を見て表情を確認)
台所を拭き上げる(美味しいご飯はここで作られる)
リビングと母の部屋に掃除機をていねいにかける(ホコリは大敵)
母の周りをコロコロ粘着テープできれいにする(小さなごみはこれが一番)

心を整える


整えるのは部屋だけでなく、私の心も。
訪問客への気遣いは当然として、夫への感謝の心も持ち続けたい。
夫の協力あっての今の生活だから。

母に優しくしてくれ、気遣ってくれる。
声をかけて、目配り気配りを忘れない。

母が来る前はつまらないことで言い争うこともあったが、今はそんなことはない。
イラっとすることもたまにあるけど、グッと抑えて。
私が感謝の心を持ち続ければ、全てがうまくいく。

小さなこと、くだらないことは捨てておく。
私の中のつまらない部分が出てこないように、抑える。

自分で自分をコントロールできる、強くて優しい人になりたい。


強さと優しさ


母を見守る時は優しさが必要。
苦しむ母を支える時は強さが必要。

「凛としている」という言葉が好きになった。
力強く、程よい緊張感がある感じ。
目先でなく、ちょっと先を見ている感じ。
広く深くものごとを捉えている感じ。
優しさと強さをもつ言葉、と思っている。


学ぶ


孫やひ孫が母に会いに来る。
若くて元気な子たち。
母は彼らに
「学校はどう?」
「仕事はきつくない?」
「元気にしてる?」
「遠い所をありがとう」
「せっかくの休みにごめんね」
気遣いの言葉が出る。

ああ。私もこうでありたいな。
ふと、歌手の本田美奈子さんを思いだす。
闘病中に、見舞いの人に対して笑顔で優しい言葉をかけていた、と聞く。

自分自身が辛くて苦しかったはず。
そんな中で人への優しさや気遣いを忘れない。
天使だ‼と思う。

ユダヤ人迫害の中で、最後まで人間らしさや人への優しさを示し続けたアンネ・フランクのような…。

もう一度本田美奈子さんの歌を聞き、アンネの日記やアンネに関する本を読もう。

強くて優しい人になりたい。そういう人たちに学びたい

命を想う


消えゆこうとしている命を前にして、命を想う。

人間だけでなく、命のあるものは全て生まれて育って死んでゆく。
その繰り返しの中で偶然、親子として出会った。
なんてスゴイことだろう!

お母さんのもとに生まれて良かった。
生んでくれてありがとう♡
私は私の人生を楽しんでいます。
辛いこともあったけど、今、幸せです。
お母さんとこんなにゆっくり一緒に過ごせて良かった。
たくさんのありがとうを贈ります。
一緒に過ごす時間で学ぶことがたくさんあります。
お母さんは「ごめんね」というけど
私は本当に感謝しています。

気が利かずぼんやりしていた子どもの頃、
いつも「大器晩成」といって励ましてくれた。
「大器」にはなれなかったけど、自分のことが嫌いにならずにすんだ。

だから「今」がある。

親を超えたいけど、まだまだ。
親の年齢に近づいた時、どんな自分になっているのだろう。

親の年齢まであと30年。
志を高く持って生きてみたい。

母と過ごしながら、今まで気づかなかったこと、考えもしなかったことを考える。
意外なおまけがたくさんついてきた。








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