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映画、前もって行っていても必ず終盤トイレ行きたくなるのやめたい。

 フードコートにて、はなまるうどんで昼食である。いつも小のところを、今日はやってやろう、ちう思いを胸に、中。

 で、多い。小でよかったわやっぱり、とちくわ磯辺揚げを齧りつつ。

 箸が、持ち上がらない。天かす過多。横から怒られたら素直に謝れるくらいには、過多。
 ただでさえ少なめのつゆを、大量の天かすが吸いに吸い、うす茶色の沼。沼は麺を離さない。ほら切れた。いやな気持ち。

 あとこれは、天かす過多のため、だけでないのだが、胸あたりが うすら気持ちわるい。今朝の早起きのせいかもしれない。箸を止める。そして、しばし持参した湯を飲む。すごくいい。お湯の幼なじみ感。小学校からの。

 温玉ぶっかけである。正確には、ぶっかけうどんの鉢と、温玉が殻つきで入った小鉢である。また、その横に、ちくわ磯辺揚げ。

 温玉はまだ、割っていない。

 この状況、とてもいい。まだ美味しくなる余地を残して、うどん食しはもう中盤に差し掛かっているのである。


黙って食らう うどんは、量が多いな〜
なんかそんな気がするな〜

箸が重いな〜
天かすもここまで過多だとかき揚げだな〜


 ここだ、というタイミングも特にないため 何も考えずに、そのことをなんとなく申し訳なく思いながら、温玉を割る。机に落ちた白身のことは無視する。

 気持ち 浅くなった沼の上に でん、と落ちた温玉、ふしだら。つついて、崩して、中から溢れ出して、また、ふしだら。

 胸あたりの気持ちわるさ、意識しないように、ふしだらな温玉と沼の絡みを脇役男優のように見つめる、わたし。
 特に何を思うでもなく、それを口に運ぶ。運び終えたらまた運ぶ。温玉ってこんな感じだっけ、と思っているようである、わたし。それすらも他人事。

 他人事のまま、うどんは鉢から無くなった。トレー全体に目をやると、ちくわ磯辺揚げが一口分だけさらに残っていて、少しうれしい。

 うん。

 鉢も皿も空にして、小鉢には殻だけを残して、おわり。そしてわたしはそれを文章に起こしている。

 机に落ちた白身のことは まだ無視している。

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