見出し画像

無形資産の魅力 ~居心地の良い床屋とまだ見ぬうどん屋~

本日、床屋さんに散髪に行ってきました。

私がお世話になっている床屋さんは、オープン時からお世話になっているお店で、かれこれ42年(!)通ってます。

このお店について以前の記事でも書いた記憶がありますが、ほとんど読まれなかった苦い思い出があり(単に記事のレベルが低いだけですが(汗))、今回しれっと、もう一度登場して頂くことにします(笑)

42年ということは、小学3年生の時以来、今日までずっと。
その間、一度も浮気はありません(笑)

当時住んでいた地域にあるお店なので、今の自宅からは車で30分ほどかかります。

今の住まいの近所にも床屋はたくさんありますし、行く途中に激安チェーン店もあるんですが、やっぱり、このお店以外考えられません。

私が50歳を迎えるということは、マスターもそれなりの年齢になってきており、今日、年齢を尋ねると

「73歳になったよ、もうすぐ後期高齢者!ハハハ」

笑いとばしていました(笑)

「73歳」という文字だけ見ると、腰の曲がったおじいちゃんを想像する人もいらっしゃるかもしれませんが、とてもそんな年には見えず若い若い。

なんでそんなに若いのか考えてみると、

一つ目はずっと立ちっぱなしの仕事なので、それが健康に繋がっているのではないかと。確かに立ちっぱなしは疲れるイメージもあるんですが、座りっぱなしに比べて健康には良さそうな気がします。違うかな?

二つ目は、手先を器用に使う仕事が影響しているのではないかと。手先を動かすことって認知症予防など脳に良い影響があると言われているので、職業柄、若さを保つひとつなのではないかと思います。違うかな?

三つ目は、繁盛しているお店だからなのではないかと。様々な世代の客と話をする機会が多いので、脳が活性化しているのでないかと思います。違うかな?

どれも推測の域を出ませんが、間違いなく若いです。

繁盛していると書きましたが、商売を長く続けるってそれだけでも大変で、しかもこのような街の床屋さんを取り巻く環境は厳しいはずです。

お店の周りには、新たに出来た床屋や美容院が存在するし、少し足を延ばせば安いチェーン店だってあります。

そんな環境の中で、お店を繁盛させるって、その店ならではの見えない価値というものがあるような気がします。

「安い」とか「駅から近い」とか目に見える有形の価値だけだと、いずれ飽きられそうな気がしますが、目に見えない無形の価値、いわゆる無形資産があると、その店のオリジナリティになり、長くしかも繁盛するのではないでしょうか。

そして、お店だけでなく人も、「お金」や「土地」のみ持っている人よりも、その人ならではの「無形資産」を持っている人が活躍できる社会が、これからやってくるのではないでしょうか?

ちなみに、私が考えるこの床屋さんの無形資産の一つは、マスターの「人間性」。周りに気遣いの出来るその「人間性」から生まれた空間が、客にとって、何度でも通ってしまう居心地の良い場所になっているのではないのでしょうか。

人間的な魅力がある人の周りには、ヒトが集まってくるのだと思います。

ちなみに、今日マスターと会話した内容をかいつまむと、マスターの弟さんの話。

昔は中学を卒業して働くことも珍しくない時代で、弟さんは中学を卒業して、うどん屋さんで働くことが決まっていたらしいです

しかし、当時の中学の先生が両親に「高校へ行かせてやってくれ!」と懇願したことがあったとのこと。

そして高校へ行った弟さんは、勉強に目覚め、その後大学へ行き、さらに大学院にも行き、社会に出てからはとある業界の会社を渡り歩き、最後は超大手の企業に転職し60歳で定年退職。

定年退職した後も他の企業からお誘いがあり65歳になった今年、そこでの在籍も終了。そして、今、また別の企業から声がかかっていて、どうするか迷っているらしいです。

おいおい、マスターだけでなく弟さんも人間的魅力に満ち溢れてるじゃないですか(笑)

次の進路に迷っているとのことなので、私からマスターにお伝えをしておきました。

「原点に戻ってうどん屋をやってみてはどうですか?」

きっと居心地の良いお店が出来そうな気がするんですがね。
もちろん、私も通います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?