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忍者Loveletter。


放課後。
校舎の物陰からひたすらに視線を送る。視線は熱を帯びてサッカーをしているとある男子へと刺さる。

ーー誰かが見てる気がするってわかるはず!視線ってそういうものだもの!

パシッ。
「いたっ」
不意に頭を叩かれ振り向くと友達のメグミが居た。
「気付かれて振り向かれても、あんた隠れて逃げるでしょ?」
と、図星を容赦なくぶつけてくる親友は続けてこう言った。
「Loveletter書いてみたら?」
Loveletterという響きに私の顔は赤くなっていくのを感じた。
「忍(しのぶ)さぁ、超が付くほどの奥手なんだからさ。面と向かって話せないなら手紙しかないっしょ??」
想像しただけで顔から湯気が出そうになる私はメグミをポカポカ叩きながら
「わた、わた、わたしなんか、が、、、」
「それ!わたしなんかってのやめてさ、やってみ?この時代に古風な手紙なんてのが意外と刺さるかもよ?」
メグミは私の手を抑えて、鋭い眼差しで言う。
「やってみよ?ね♡」
「う、うん……」
古風な手紙か……よし。

家に帰ってからわたしは必死に想いを認めた。
手紙を書くのも大変だ。

メグミが背中を押してくれた。
徹夜気味で書き上げた手紙を熱視線の相手の下駄箱に。
ーー想いが届きますように。

ーー後日。

『なぁなぁ、聞いてくれよ』
忍、意中の男子とその友達との会話を何となく聞けるポジション取りに成功したメグミ。
『なに?どしたん?』
『それがさ、下駄箱にさ大量に半紙が入ってて、めちゃくちゃ達筆で書道の達人かと思うくらい崩して書かれてるから読めなくてさ……』

ーー古風な手紙って言ったけど……手紙を古風にしちゃったよ!!暗号かっ!

『ま、あんたのそんなとこが好きなんだけどさ』
メグミは笑いを堪えながら忍を愛おしく思った。

[完]


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に参加させていただきます。
今週のお題【忍者】×【ラブレター】で書かせていただきました。

お目汚し、失礼m(_ _)m

サポートなんてしていただいた日には 小躍り𝑫𝒂𝒏𝒄𝒊𝒏𝒈です。