人生の道しるべ
原 阿佐緒 その四(湯浅先生)
わが病めば子のおとなしくなるなども寂しやあはれ相たよる身は
原 阿佐緒
かりそめの病床についたときにも、このようにうたって、親ひとり子ひとりのかなしさを訴えています。しかもそのなかには、わが子のしおらしさをいとしむ切々たる感情のあることが如実に感じられます。いつもは母に甘えて、多少の腕白なふるまいもあるのでしょうが、その母が病床につけば、ついおとなしくなってくる子のすがたに、片親で育っている子のいじらしさがしくしくと胸に迫ってくるのでしょう。「相たよる身は」とはいうものの、それは子の母を思う心につまされている母親のこころに相違ありません。
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