見出し画像

【12月21日】クリスマスまでに帰らなきゃ!シャイな亀

豪華な船が街に着き、飼い主とルビーに感謝を告げるとルーはまた泳ぎました。
太陽が真上にかかる頃、ルーは色とりどりの花が咲いた島を見つけ、一休みしようと上陸しました。
島は花で溢れていてとてもいい香りがします。
太陽はぽかぽか、蜂が花の周りをぶんぶん飛んでいる光景はルーを嬉しくさせました。

「少しお昼寝していこうかな。」

そういってルーが寝ころんだ時でした。

ザブーン!

島が突然動き出したのです。
ルーはびっくりして飛び起きました。
動いている島の先端にいってみると、亀の目とルーの目が合いました。

「亀さんだったんだ!ごめんよ、勝手に乗ってしまったよ。
僕はルー、君は?」

「………ノック。」

「ノック!よろしくね!
僕は雪島を目指しているんだ。
もし良かったら、途中まで乗せてくれないかい?」

「………うん。」
「ありがとう!」

それからルーは亀のノックとゆっくりお話をしました。
ノックは優雅に海を泳いでいます。

「こんなに大きくなるには何年かかるの?
僕もこんなに大きくなれるかな?」

「……うん。」

「数えたこともない?。
甲羅がとても立派だね。それに綺麗な花でいっぱいだ。
おしゃれだね。」

「…………うん。」

「ノックはとても恥ずかしがり屋だね。」

「………うん。」

「嫌いじゃないよ。とてもいい個性だ。」

「……うん、僕もそう思ってる。」

二匹はにっこりと笑いました。

ノックは夜になると泳ぐのをやめ、眠そうに目をこすりました。
ルーはノックの顔の横に丸まって、二匹は月に見守られながら眠りにつきました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?