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『赤石ミーティング』at CANVAS IIDA森田修史(ts) 古谷淳(p) 岡只良(g) 武重俊輔(B) 横川忍(ds)

素晴らしいライブだった。だが、モノ書きとしての私が今日の音を文字に定着するには、今日の演奏はスケールが大きすぎた。ことに古谷のピアノ!

ラフマニノフを思わせるしっかりと深いタッチ… いい音、ものすごいタイミングだなぁと思う。だからソロに自由度が高く、しかも完成度が高い。岡の相変わらずのグルーブ・スウィング感に対し、ただ指が早いだけじゃない深いタッチ・タイミング。ボッサでもたっぷりと音数多く唄う岡に対し、古谷のバッキングは完全なタイミングだ。

ギターが休んだIn a Sentimental Moodになって、いくらか私は分析能力を取り戻したが、いつものようには書けない。ピアノの粒立つパッセージと最後のリフの森田のフェイクに泣いたことだけは書いておこう。1st 最後のタッド・ダメロンのナンバーのスウィング感は楽しめた。

クリフォード・ジョーダンのブルースから始まった2ndは、ジミーヒースのバラード、Just Friends, body an’ Soul 森田オリジナルShort tripと続いた。だが克明なメモをたどるのがむなしいのである。そこに私の感動はない。

森田と古谷の息の合ったコールアンドレスポンス、岡の十分な黒さ。控えめながら決してツボは外さないリズム隊… 何よりジャズでしかあり得ない美しさ!涙!

アンコール、森田と古谷のデュオでプレリュードフォートゥアキースを聴きながら私はハイボールを干して涙を拭いた。

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