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BILLION SELLER RECORD

綾小路秋桜は、きょとん。
愉快畏は、興味津々。
野口千景は、取らぬ狸の皮算用。
三種三様の面持ちで
黒い円盤を永らく眺める。
音楽プロデューサーの
Midnight.Tが注意深く三人に忠告する。
「あー、君たちは本当によくレコーディングに励んだ。それは認めよう、とてもいいのだけれど、足さなければならないモノがある。それは何か?」
綾小路くん「……空気感、かな?」
愉快 くん「……呼吸だと思う」
野口 くん「……動きでは?」

「正解はモーションだ。正確には歌に見合ったモーション。君たちの運動神経なら体現出来るよ、早速やってみるかい?」
無言で頷く三人。三人の中央をキープしたのは、ムードメーカーの綾小路さんだ。
普通なら振付の講師が先頭になってイチから叩き込むのだが、三人の創作ダンスに賭けてみようと思った大人たち。

「Michael JacksonはTHRILLERで
100,000,000枚売上を記録した(概算)。
今回、我々に課せられた目標は
BILLION SELLER
Michael Jacksonの10倍だ。
どうやったら1億2千万人の島国で、そんなミラクルが起きるのかよく考えなさい」
1,000,000,000で10億枚か、一家に10枚配って歩いても余るかも知れない。一世帯に一人だけ住んでいる訳では無いし、綾小路家、愉快家、野口家は配る(売る)側の世帯(人間)だ。
途方もない課題(宿題)に息を呑んだ三人の女児、令和の歌姫たちはMichael Jacksonを打ち倒すことが叶うのか?

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