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峠の伝説

ひたすら走るRYUKIとVANLI
ご主人様の緊急事態と察したか
茶太郎と柚姫も慌てて着いて来た。
「RYUちゃん、走りながら聴いて!
最初に出逢ったのが魔女、
それ以外の女も全部魔女よ!」
ええと、ジューシャ(従者)さんはどこに?
「最初、ニンゲンが女に変えられるんだと
思ってた。性別に関わらず。
でも、それは多分邪推よ。
魔女はニンゲンを猫に変えて交配を
楽しんでる」
三日月峠は猫峠。増やしてるのは魔術です?
「ジモティーは誰も三日月峠なんかに行かない。ニンゲンが失踪したことも三面記事、どこかでかき消されてる。わたしたちカップルは伝説を信じて、婚前交渉をしに訪れたけど、あのお城でさえラブホテル以上の異様さを放ってるわ」
確かにお城があることさえ、伝え聞いたことは無かった。
「茶太郎と柚姫の結婚は少し延期ね。その前に、町内で失踪した人が居ないか、調査しないと!」
さいわい、知り合いに失踪者は居ない。それでも、VANLIの機転は未解決事件の足掛かりになるかも?
暗雲が三日月の姿を隠した時、東の空に、一筋の光が灯って消えた。

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