第０８話　漫画家になりたかった姉貴
（女流漫画家への道編）

朝顔姉妹の姉貴は
密やかに漫画家の道を目指していて、
部屋に無造作に置かれたイラストを
手放しに褒めたら、
漫画ノートを開示してくれた。

センスの高いイラストの数々。
こうやって少年少女は夢を具現化していくのか、と素直に関心。

一方の妹は、いわゆる読み専で、
姉貴が参考資料に買って来た漫画を読みながら
ケタケタと笑っている。

二人の学力はそこそこに高かったし、
親御さんも話し相手程度に
僕という家庭教師をあてがっているのかも？

まあ、こういう余暇を満喫出来るのは、
姉妹が予習を完璧にこなしているからであり、
僕は本当に果報者な先生なんだと、
防府市遠征しながらの
家庭教師業をしっかりと噛み締めた。

姉貴、漫画家デビューしたら、
全巻必ず買い揃えるからな。