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魔女と従者と七匹の猫

「さっきの女の人と又出逢いそうだね」
VANLIが薄気味悪そうに何度も振り返る。
「カエサルが血統書付きと言うのは本当かな?」
RYUKIなりの疑問点を洗い出してみる。
「流石はRYUKIさまです!」
よく通る声で
「ここだけの話、わたくしは他の従者と決定的に異なる点がございます」
ジューシャ(従者)が
ジューシャ(従者)を区別してる?
「カエサルさまは他の猫とは違う点があります。人間の言葉が話せるのです」
「カエサルさまは柚姫のことをなんて……」
VANLIの質問に
「おふたり共に冴え渡ってらっしゃいますね!
そうです、カエサルさまは柚姫さんのことを正室に迎えたいと仰ってます。本人の前だから照れてらっしゃるけど、カエサルさまの思いに変わりはありません」
「じゃあ、茶太郎は……?」
狼狽するRYUKI
「三日月峠は猫峠。茶太郎さんにもベストパートナーがきっと!」
(どんなに相性のいいパートナーでも、柚姫じゃないと意味が無いのでは?)
RYUKIの頭がこんがらがる。……と言うか正常の思考だと思うが。
「峠には従者の振りをした魔女が居ます。自信満々に多くの猫を従えた従者がそれです!
……一、二、三、四、五、六、七匹! 多分、あれじゃないかしら?」
合計で六匹ないしは七匹連れた
ジューシャ(従者)が居る。
話し掛けてみようか?
RYUKIの膝が波打ち掛けた時
VANLIが強引に肩を掴んだ。
「……急いで、振り向かないで、
ここから直ぐに逃げるわよ」

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