見出し画像

なぜ統失?第2部「閉鎖病棟入院編」⑬御禁制のiPadを持ち込む。

前回の続き

外出許可が取れたので、
暇つぶしの道具を家に取りに帰って
病院に持ち込もうと考えました。

看護師に聞いてみると、
携帯型のゲーム機なら持ち込んでも良いとのことでした。

ニンテンドーDS,3DS,PSP,PSvita 
の4機種を持って行きました。

僕は、子供の時からのゲームマニアなので、
ゲーム機はたくさん持っています。

それからダメ元で、
当時まだ珍しかったiPadを持って行ってみました。

閉鎖病棟に戻ると、
まず、持ち物検査があります。

ポケットの中から靴の中まで全部調べられます。

それから金属探知機で危ないものを持っていないか念入りに調べます。

携帯ゲーム機は問題なく持ち込み許可が取れました。

iPadはどんなものかよく分からなかったみたいで、

僕は、検査担当の看護師に、

”漫画とか本が読めるものと説明しました”

しばらく待たされて、

持ち込んで良いと許可が出ました。

これ、実は持ち込み禁止の物だったみたいです。


閉鎖病棟は、カメラがついてるものはもちろん禁止。

動画が再生できるものも禁止なんだそうです。
(エロ動画を見る人がいるからかな?)

あと、当時珍しかったワイヤレスのイヤホンも持ち込んだのですが、
これはダメでした。

理由は電波が出るからだそうです。


体温計とか血圧計が誤動作するからかな?

まぁとりあえずゲーム機は持ち込めたので、
これで退屈な入院生活もなんとかなると考えてたのですが、

考えが甘かったです!


アカシジアが酷くて、
よく持って5分くらいしかゲームをプレイすることが出来ません。

マリオカートやテトリスをワンプレイするのが限度です。

ちょっとゲームをプレイして
また廊下へ歩きに行く。

これの繰り返しです。


同じ病室の隣のベッドに、
放浪の画家、山○清そっくりの患者さんがいます。

苗字も同じなんです。

この人、僕のゲームをやらせてくれと何度もせがんで来ました。

僕は、ダメですと何度も断りました。

僕が廊下の散歩から帰ってくると、
放浪の画家さんが、

僕のベットの所で慌てふてめいているのを目撃しました。

ゲーム機を開いてみると、
前回中断したとこでゲーム画面が変わっています。

僕はこの事を看護師に報告しに行きました。

放浪の画家さんは、

「ペットボトルが転がって行ったので取りに行っただけ。」

と言って上手く誤魔化したみたいです。


この人、時々

「おにぎりが食べたい!」


と叫びます。

当時、ゲーム機を持ち込んでたのは
僕だけだったと思います。

病棟で付き合ってたMちゃんと、
太鼓の達人を一緒に少しやりました。

廊下を歩きながらです。

そういえば、Mちゃんもよく廊下を歩いてたけど、
アカシジアが出てたのかな?

Mちゃんが、色々音楽が聞きたいと言うので、

一時帰宅した時、御禁制のiPadに、
Mちゃんの好きな曲を入れて持って行きました。

Mちゃんはイヤホンをして、
廊下をぐるぐると歩きながら音楽を聞いてました。

僕は、iPadを落として壊さないかと少し不安でした。


続く



















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?