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なぜ統失?第2部「閉鎖病棟入院編」⑯うまい棒。

前回の続き

入院中の唯一の楽しみと言えば食事です。

他に、何も楽しみがないと言っても過言ではありません。

ごくごく普通の体型だったのに、
退院する頃には10Kg以上太ってしまいました。

精神病の患者さんは、太ってる方が非常に多いです。

他の患者さんの話によると、
薬に食欲増進剤が入ってるらしいです。

ご飯は大盛りを食べてたし、
週に2日ほど、院内の売店で買い物ができるので、
おやつを大量に買い込んでました。

度を超えて買い込むと、看護師に止められます。

ここでは、おやつをよく盗まれるので、
鍵付きのロッカーで保管しておかないといけません。

僕は、カルビーのポテトチップスを大袋でよく買って食べてました。

コーラも一緒に買い込んでました。

病棟で付き合ってたMちゃんは、
うまい棒を大量に買い込んでました。

ここでは、物をあげたり貸したりするのは禁止なんだけど、
うまい棒をよくみんなに一本ずつ配ってました。

Mちゃんも、痩せてたのにお腹が少しぽっこりしてきてました。

僕がいつものように廊下をぐるぐると歩いてると、

隣を歩いてたMちゃんが、
急に正面に回って僕の顔を見つめて来ました。

僕は耐えきれず、目を逸らして逃げてしまいました。

僕は人見知りだったので、
人の目を見ることが怖くて出来なかったのです。

その時、うまい棒のいい匂いがしました。


Mちゃんの事を思い出すと、
うまい棒のいい匂いを思い出してしまいます。


次回へ続く。




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