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なぜ統失 第3部「自宅療養編」⑤初めての東京。

前回の続き

あまりにもおかしな妄想が酷いので、
僕は、12月に行われる『催眠非暗示性を高めるワーク』
の日を待たずに東京に行く決心をしたのでした。

しかし、親の監視が厳しく、
家を出るのも一筋縄では行きません。

家を出る時に、両親と激しい衝突となりました。

母親は罵り、父親は力尽くで家を出るのを阻止してきました。
僕は父親を振り払い、無理やり家を出て行きました。

捨て台詞に、

「当分家に帰らんけぇね!」

そう言うと、

「もう勝手に行ってええ!」

許可が出たので堂々と出て行きました。

コンビニに寄り、30万くらいお金を下ろしました。

それから駅に向かい、
東京行きの新幹線の切符を買いました。

一人で新幹線の乗るのは生まれて初めてです。

正直に言うと、一人で県外に出たこともありません。


新幹線の切符の買い方も分からないので手探りです。

この時、スマホを解約していました。
統合失調症になったんだから、
仕事も出来ないし、友達とも縁が切れてしまったので、
持っててもしょうがないと解約してしまったんです。

何とか新幹線で東京へは辿り着きました。

今考えると、あの状態で良く東京まで辿り着けたなと思います。

新宿へも、案内板を見ながら戸惑いながらも辿り着くことが出来ました。

しかし、スマホのマップが無いので、
ゴールデン街にある田村さんのカフェまでどう行けばいいのか分かりません。

街を彷徨いてると、
ちょうど当時発売されたばっかりだった、
iPhone4を店で売ってるのを見つけました。

”しばらく東京で生活するんだからスマホは要るよな…”

僕は、持っていた保険証とクレジットカードを使って、
その場でスマホを契約してしまいました。

スマホの契約が終わるとあたりはもう暗くなってました。

僕は、泊まるところを探す為、
夜の新宿歌舞伎町を彷徨い続けることとなるのでした。


続く。








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