カンボジア秘話

カンボジアに来ています。
プノンペン空港で周りを見渡すと昔のことを思い出します。

今から25年以上前、父が空港の近くに広大な土地を購入しました。
当時、外国人は土地を買えなかったので、知り合いのカンボジア人に名前を借りたそうです。
その後、私は父からその土地の管理を任されたので、1年に1度はカンボジアを訪問していました。

やがて、土地の価格は高騰し10倍以上になりました。
手に届くところに大きなお金があると人は豹変します。
名前を借りたその人が「その土地は自分の所有物だ」と言い出したのです。
そこから約3年、私は様々な人に相談してその土地を取り戻しました。

問題は解決したものの、相談した弁護士から「逆恨みで私の命が狙われるから数年間、カンボジアには来ない方がよい」とアドバイスを受けました。
折角、作り上げたカンボジアとのご縁、そのままだとこの国と疎遠になってしまいます。
タイミングよく、その時にワタミグループがSAJという孤児院をスタートしました。
ご縁を継続するためにも、その施設に住む男の子を1人サポートすることにしました。
それが今から15年前です。
その男の子は10歳から18歳まで支援し無事に孤児院を卒業しました。
今ではもう一人10歳の女の子をサポートしていて、今回の訪問で初めて会う予定です。

この土地はもうありませんが、お金よりも大切なカンボジアの人との繋がりは続いています。

そのトラブルの時に出逢ったカンボジアの恩人達とは、今でも当時の話を肴にお酒を飲み交わします。

カンボジアは観光収入の割合が大きく、国家の財政に貢献しています。
その観光のメインとなるのが世界遺産のアンコールワットです。
金で飾られた装飾は盗賊達に剥がされ、朽ちた姿となっても世界中の人々を魅了しています。

その存在感で人を惹きつけ国民を守っているアンコールワット。
カンボジアに来ると「私もそんな存在になりたい」と考えてしまいます。


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