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業務効率化7つのセオリー(6):アナログだからといってあきらめない

ここで言うアナログとは紙の情報のことで、たとえば紙の注文書や請求書のことを指します。デジタルデータではないため、このままではRPAで処理することができません。紙の帳票をExcelフォームに変えたり、AI-OCRを利用したりするなど方法はいろいろありますので、アナログであったとしても工夫の余地はあります。アナログだからといって、簡単にあきらめてはいけません。

中小企業などでは、社内に紙の帳票があふれているところも少なくありません。その場合、残念ながらRPAは活用できません。紙の多い企業は、RPAの取り組みを機に、少しずつでもデジタル化を進めたほうがよいでしょう。

社内でデジタル化を進めようとしても難しい理由はたくさんあります。たとえば紙の資料をExcelに変えようとしても、「年配者が多いためパソコンが苦手」、「画面が小さくて仕事がやりづらい」、「手で書いたほうが早い」といった反対意見が必ず出てきます。しかし、どれも慣れれば何とかなる課題ばかりで、むしろ慣れればメリットのほうが大きいはずです。

実際に筆者が支援している企業で、営業が手書きで見積書を作成していたところを、Excelで作成するように変更しました。年配者が多い企業であったこともあり、その変更に不満が爆発してしまいました。パソコンに慣れていないため、手で書くより何倍もの時間がかかると不満を言うのです。しかし半年ほど経って聞いてみると、今ではExcelのほうが便利だと言っています。データをコピーして使い回せるので、以前よりも効率的になったそうです。慣れればこういうものなのです。

ところで、そこまでしてデジタル化をすべきなのでしょうか。そんなにメリットがあるのでしょうか。

デジタル化の目的は、印刷しないことによって用紙代やインク代を節約することではありません。そうではなく、デジタルデータと比較して、紙には数多くのデメリットがあることが問題なのです。ここを理解しなければデジタル化の必要性はわからないでしょう。

紙のデメリットとは次のような点です。

まず紙があるとファイルケースにとじたり、定期的に破棄したりするなど、余計な「管理作業」が発生します。デジタルデータの破棄はDeleteキーを押すだけですが、紙の資料はシュレッダーにかけなければなりません。その差は大きいことがわかるでしょう。

また紙は検索ができません。デジタルデータであれば検索機能で1秒もかからない作業が、紙だと物理的に見つけ出すのに相当時間がかかります。さらに紙の情報は再利用ができません。たとえば見積書がExcelであれば、同じような見積りの案件で、名前と日付だけ変更して再利用することができます。

そして最も重要なことは、世の中のテクノロジーを利用できない点です。あらゆるテクノロジーはデジタルデータを前提としているからです。RPAもその1つです。つまりアナログでは、今後登場してくるさまざまなテクノロジーの恩恵にあずかることができないのです。

このような紙のデメリットをよく理解し、少しずつでもデジタル化を進める地道な努力が重要となります。今すぐに自動化できなくても、アナログだらけでも、簡単にあきらめてはいけません。

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