コロナ禍の新たな生活様式の浸透で、ペットの人気が高まり、ペットを迎えたいと考える方もいるのではないだろうか。そんな時、訪れて欲しいペットショップが、彦根市馬場町2丁目、カインズモール北側のちょっと奥まった場所に存在する。

“Lily Blanc_cat space”　猫カフェ併設のペットショップだ。
オープンテラスのあるレストランを思わせる外観からはここがペットショップだとは想像できない。

テラスをのぞくと、そこには自由にくつろぐ猫たちの姿

猫カフェ併設というと、「保護猫を引き取り、カフェを利用したお客さんに里親になってもらう」というスタイルを想像するが、ここは違う。店主自ら一般的なペットショップも参加するオークションに出かけ、子猫たちを仕入れている。その多くが血統書付きの猫だ。ここにはガラスケースは存在しない。気候の良い時期には、猫たちはテラスで琵琶湖から吹く風を感じながら過ごしている。

売れ残った子は最後まで責任を持つ

店主は彦根市出身の松岡雄太さん。
最初は飲食の仕事をしていたが、「これからの時代はパソコンを使えないと…」と思い、いろいろと勉強をした。東京で派遣社員として働き、IT関係やコールセンターなど様々な職種を経験し、管理側の仕事もするようになっていた。しかし、コロナウィルスが流行し始め、人口の多い東京の行動制限は想像以上に厳しいものであったという。
 
そこで、実家がブリーダーをしていたこともあり、ふるさと彦根に帰りペットショップを開くことを決意した。しかし、売れ残った子をどうすればいいか…。
 
考えた末、「猫カフェを併設すれば、そこで最後まで面倒を見ることができる」と、今のスタイルで店をオープンしたのが2021年9月。コロナ禍ということもあり、予約制としたが、問い合わせすらない日々が続くという厳しいスタートだったという。
（現在は、予約不要）

猫たちの自然な姿を見てほしい

テラス付きのリビングルームのような店内で、猫たちは昼寝をしたり、追っかけっこをしたり、思い思いの場所で自由に過ごしている。閉店後の夜間もケージに入れることなく、ここで過ごさせているそうだ。人慣れしている猫たちは、初めての客にも逃げ隠れすることなく、よく遊んでくれる。
 
「お客さんには自由に猫と触れ合っていただいて楽しんでいただき、それが購入のきっかけになれば…。」と松岡さんは話す。
 
しかし、猫カフェを利用するお客さんに対して、猫を飼う気にさせるような営業トークは一切しない。猫を飼うことを検討しているお客さんに対しては、子猫を飼うことのリスクや手間、猫種による習性の違いなどもしっかり説明し、「こんなはずじゃなかった」とならないように努めている。

ペット業界には「抱っこ商法」なるものが存在するらしい。
ペットの購入を検討する客に子犬や子猫を抱かせ、その愛らしい姿に触れさせ、「今買わないと売れてしまう」と衝動買いを促すという。

店内には猫たちの情報が掲示されている。基本的に猫の名前は、生まれ月に咲いている花の名前を付けているそうだ。飼い主が決まるまでの源氏名というところだろうか。掲示物や、壁に設置した猫の通り道「キャットウォーク」は、さまざまな仕事の経験を活かし、松岡さんが作成。

アフターフォローもしっかり

猫を購入したお客さんへのアフターフォローも欠かさない。電話やメールでの相談はもちろん、購入した猫を連れて行けば、爪切りやブラッシングの方法など、文字通り手取り足取り教えてくれるそうだ。

あふれる猫愛

筆者がここを訪れて驚いたのは、十数匹の猫がいるにもかかわらず、衣服に猫の毛があまり付かないということ。聞けば、日々の掃除と猫のブラッシングを欠かさなければ抜け毛は軽減できるそうだ。
 
とはいえ、餌やりはもちろん、ブラッシングに爪切り、顔拭き、耳掃除、など15匹ほどの猫のケアと店内の丁寧な掃除をすることは簡単なことではないと想像する。しかし、そう話しながら猫をなでる松岡さんの表情には猫への愛情の深さが感じられた。

 
猫と店主に癒される、衝動買いさせないペットショップ“Lily Blanc‐cat space‐”
仕事帰りや休日にぶらりと訪れてみてはいかがだろうか。

Lily Blanc‐cat space‐
住所 ： 〒522-0069 滋賀県彦根市馬場2丁目4-25
TEL ： 050-8882-4365
HP ： https://lilyblanc-catspace.com/
営業時間： 11:00 ～ 20:00（最終入店は18:30まで）
定休日： 不定休
 
第一種動物取扱業の種別： 販売、保管、展示
登録番号： 滋賀県動保セ 第50161-01号、50161-02号、50161-05号
登録年月日： 2023年9月22日
登録の有効期限の末日： 2029年2月28日
動物取扱責任者： 松岡　雄太

(写真・文：　野口瞳)