コリアン・ドリームが日本の国益となる大前提
勝共食口が抱くコリアン・ドリーム最大の懸念は、南北統一が「反日感情」を中心としてなされるのではないかということです。
文顯進会長が開催したイベントに韓国の左翼団体が含まれていたことや、慰安婦問題に批判的なマイク・ホンダ下院議員と親交があったことも、食口の不信感を募らせました。
北朝鮮を中心に南北統一されることは、日本にとって最大の悪夢です。
文鮮明師は90年代からこのシナリオを懸念されて、統班撃破(反共思想の草の根啓蒙)運動を推奨されました。
文鮮明師の自叙伝では、金日成主席との会談で「核開発の断念」を確約させたと書かれています。
結果としてこの口約束は反故にされ、統一運動の経済援助がミサイル開発に貢献したのではという疑惑が生まれました。
正攻法のアプローチが機能する時期は過ぎ、やがてアメリカ本土にまでICBMが到達するまで、危機が進展することになりました。
文顯進会長は北朝鮮のトップ渉外を諦めた訳ではありませんが、著書では金正恩の蛮行(親族の殺害)を明確に非難しています。
あくまでも統一を駆動するのは「市民の力」であり、共産党幹部には良いかたちで逃げ道を提示する考えのようです。
その過程で大切なのは、統一の当事者である一般市民が、新しく生まれる統一コリアの建国ビジョンを明確にするということに尽きます。
ビジョンの力を信じる文顯進会長は、ありきたりな反日感情を利用したポピュリズムとは一線を画します。
宗教も思想も異なる南北民族の共通ビジョンとして採用されたのが、朝鮮建国神話と独立宣言書でした。
3.1独立記念日と言えば、8.15光復節と並んで反日感情を刺激する記念日です。
韓国人にとってその原点ともいえる独立宣言書に、文顯進会長は独自の解釈を加えました。
3.1 朝鮮独立宣言書を読むと分かりますが、恩讐日本に対する憎悪の感情が抑制され、仇討ちが動機ではない旨が説明されています。
その一方で、朝鮮市民の怨嗟の声を武力で制圧する限りは、「眠れる獅子」中国が黙っていないだろうとの警告も忘れてはいません。
文顯進会長は「日本をして邪道より出でて東洋の支持者としての重責を全うさせるものであり」という文章に注目し、「独立後は日本をパートナーとして、東アジアの平和を『共に実現する』決意表明」だと再解釈しました。
韓国国民の中でも、偏狭な反日感情が品格に欠けることを恥じる一定数が存在します。
日本に責任転嫁ばかりする幼稚な思考から脱却し、未来志向で再出発したいという良心が、彼らの中に眠っているのです。
韓国の左傾化は甚だしく浸透してしまったので、直ちに国民感情が大転換するほど甘くはないのかもしれません。
しかし文顯進会長はどのような機会においても、正しいビジョンに基いた南北統一を目指して啓蒙活動に取り組まれています。
奇しくも文書の作成には、文鮮明師の叔父である文潤國牧師が加わっていたそうです。
(キリスト者として)敵を赦す愛を盛り込んだこの文書が、世代を超えて実践される日が訪れたのです。
コリアン・ドリームが日本の国益となる大前提とは、このキリストの愛がビジョンとして実現することに他なりません。
長く信仰した統一食口は、キリスト教国家であったはずの韓国の欺瞞に、どれだけ失望してきたことでしょうか。
今度こそ彼らが期待を裏切らないだろうという前提で、日本の具体的な国益について説明したいと思います。
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