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【ライブレポ】 "CAMEO" ワンマンライブ@東京・青山の心地よい熱気について


GOODWARP「CAMEO」ワンマンツアー。大阪、名古屋に続いて最終日は東京・青山RizM! 前売りチケットはソールドアウトで会場は満員。おしゃれな街がGOODWARPを愛する人で溢れた夜の様子を、5000字を超える長文でみっちりレポートします!


冒頭3曲で新しいGOODWARPの世界が見えた

定刻を少し周り、RizMが期待感に満ちた18時35分。会場が暗転すると、ザワついていたフロアの目がステージに集まる。一瞬の静寂の後、萩原“チャー”尚史(Ba)・藤田朋生(Gt)・吉﨑拓也(Vo/Gt)・コウチケンゴ(Dr)の4人が一斉に登場!早くも拍手と歓声が。

メンバーはみんな少し緊張した表情。ステージ向かって左にチャー、右に藤田。奥には初ワンマンのケンゴが微笑んで座る。吉﨑が両手を額に当てて、ステージ全体を見渡した。青い光に包まれた空間は、何かが始まりそうな雰囲気!

さあ、待ちに待った東京ワンマンがついに幕を開けた。オープニングソングは大阪・名古屋と同じく「僕とどうぞ」だ。GOODWARPを象徴するダンサブル・ポップに、会場前方のオーディエンスは早くも身体を激しく揺らして反応。“ダンスの好きな君なら / たぶん見知らぬままだったかな”と高らかに歌う吉﨑の声はいつにもまして伸びやか。一瞬でこの場をGOODWARPの世界に変えてゆく。

続けざまに鳴らされたのは「Smile」。さっそく「CAMEO」からのフレッシュなナンバーだ。キラキラした音世界と怪しげなイメージが同時に現れる、GOODWARPらしいチャーミングでポジティブな楽曲。ここでもう既に、チャーの動きがノリにノッている!GOODWARPのライブにおいて最重要人物?と言っても過言ではないチャーが、今日も調子が良さそうだ。この後のパフォーマンスにも期待大である。

次に繰り出したのは「ラブシティ」。藤田のシンプルで力強いギターが会場の温度を徐々に高めていく。そしてケンゴのドラムがそれに負けず強い!爽快!新しい布陣の魅力がもう見え始めた。“新しい時代がはじまる” のフレーズがぐわんぐわん耳の奥に響く!


青山がアツい。本当にアツい!

3曲を疾走感高めに終えたあと、手を止めて会場に語りかける吉﨑。“ダンス!”のコールの練習がはじまった。おや、ということは、次はあの曲? でもなかなかうまくいかない吉﨑(笑)。チャーがお手本を見せる。“ダンス!イッチョウラでSLOW DANCE!”・・・さすがのチャーさん。でも急に声を張り上げて顔が赤くなっているのをツッコまれる(笑)

そして、やはり次は「Snob beat(でっかく見せろ)」。跳ねるようなドラムが印象的なこの曲、ケンゴが叩く軽快なリズムに合わせてオーディエンスのテンションも上がっていく。ダンス!の合唱とともにたくさんの手が高く掲げられた。

高まっていく会場のボルテージ。演奏も熱がこもっていく。「all the freaks around me」“灯せ light”に合わせたように会場の照明がレッド、ブルー、イエローときらびやかに光を放つ。続く「command C」では、攻め立てるようなビートがRizMに響き渡る。吉﨑からはほとばしる汗!

・・・熱い。アツい。ちょうど筆者のそばで、会場のスタッフがエアコンの温度を調整しにきた。設定は【19℃】!だいぶ低いが、それでもぜんぜん暑い。GOODWARPと音楽を愛する熱気で青山RizMはムンムンです!

いつもより長いイントロで、これも代表曲の「大人になれば」が奏でられる。チャー、藤田、ケンゴの演奏が絡まりあって、時にはカッチリ噛み合ったと思えば、いい感じに離れていって・・・なんとも言えないキモチ良さ! そこに吉﨑の甘く抜けるような声が重なる。おおっ、なんだかGOODWARP、進化している!? あっ、気づけばケンゴが上着を脱いでタンクトップになっていた!いつの間に!(笑)

8曲目はCAMEOからの「yeeeyeee」“Ready or not!”の掛け声と、囃し立てる“yeeeyeee!”がフロアにコダマする。チャーの生み出すリズムがすごく安定していて、安心してカラダを預けられる。プレイ中のチャーは意外に(?)真剣な表情が多い。いや、実はこの後の「アレ」を見越して、精神を集中していたのかも・・・


最高のSweet Darwinと最高のゲスト

・・・ここで少しクールダウンの時間。メンバーもオーディエンスも、開始から突っ走ってきた身体を癒すように動くのを一休みして、吉﨑のMCを楽しむ。「梅雨明けた?まだ?」とタモリのような話題はご愛嬌(笑)。バンドとファンの和やかな時間が流れたのもつかの間、、、この静けさは次の一曲への布石だった!?

アコースティックギターを抱えた吉﨑がひとりで歌い出したのは、「Sweet Darwin」。バンドとファンの絆を一言ずつ確かめるように、友情の歌を切々と歌う。それまでとはガラッと変わったステージ上の姿に思わず聴き入るオーディエンス。途中から吉﨑をそっと支えるように加わるメンバーの演奏も素晴らしかった!個人的にはこの東京ワンマンのハイライトのひとつ!GOODWARPの引き出しの多さを見せつけたワンシーンだった。

落ち着いた「Sweet Darwin」からの流れで放たれたのは「Souvenir」。聴かせるナンバーが続く。吉﨑の切なげな声に寄り添うような藤田のギターがグッとくる。けしてアッパーチューンではないのになぜか身体がウズいてしまうのは、GOODWARPの魔法のひとつだ。一瞬落ち着いたオーディエンスの気持ちが、じわじわと底上げされていった。

・・・するとここで、新メンバーの紹介タイム。ファンには既におなじみだが、「CAMEO」からGOODWARPの正式メンバーになったケンゴを吉﨑がハイテンションで紹介!・・・したのだが、なぜかケンゴと噛み合わない(笑)。派手にやってくれよ!と煽る吉﨑に対して、限りなくシンプルなドラミングで返すケンゴ。そして、またもそこに乗っかるチャーと、チャチャを入れる藤田。ラジオの収録のような和気あいあいとした雰囲気が生まれた。

新生GOODWARPの挨拶が済んだところで、次に選ばれた曲は「真夜中のダンス〜恋する爪先〜」。ライブでも定番となっているダンサブルチューン。ミラーボールが回るなか、観客が踊る!そして、チャーも踊る!これまた定番となっているチャーのオリジナリティ溢れるダンスにフロアが湧いた。さすがGOODWARPのエンターテイメント担当である。「踊り散らかしますんで」という宣言通りのエネルギッシュな身のこなし!

・・・と、「真夜中のダンス」の途中でステージ上に動きが。何やら、チャーが別の仕事があるらしい。栄えあるワンマンのステージでベースを弾く以外に何の仕事が? と誰もが思った次の瞬間。ステージに現れたのは・・・




まさかのフレディ・チャーキュリー! これについては、ライブにお越しになった皆さんの特典みたいなものですので詳しくは書きませんが(笑)、100回くらい「エ〜〜〜〜〜〜〜〜オ!!」を連呼し、大量の爆笑と少しのため息を生み出して、嵐のように去っていきました。ヒゲ、今回はなくならなくてよかったですね!


自由を得た吉﨑が躍動する終盤

気を取り直して(笑)、いよいよ怒涛の終盤に入る12曲目は「STAR SIGNAL」。エンジンを再起動させるようなキャッチーなポップナンバー!吉﨑と藤田のギターが閃光のように放射され、ステージの照明もキラキラと星型に。ファンにも人気の高い名曲を熱唱する吉﨑に呼応するように、オーディエンスも大きく手を挙げて揺れる。にわかに会場は一体に。

演奏はたえまなく続く!遠くから近づいてくるようなケンゴのドラムが鳴り響くと「湾岸線のって」の合図だ。吉﨑がギターを置いて、シンガーとしてラブソングを切々と歌い上げる。吉﨑がこうやって歌に専念できるのは「CAMEO」の楽曲群の特徴のひとつだ。言葉を丁寧に伝える吉﨑の声を、3人の優しい演奏が追いかけていく。これも新しいGOODWARPの姿かもしれない。皆ひとときの甘い世界に酔いしれた。

穏やかな演奏を背にして、吉﨑が再びMCに入る。

「何かに夢中になるなら、むしろ少しイタいくらいがいい。GOODWARPはそういう人の背中を押せるバンドでありたい」

そう前置きをして奏で始めたのは、「CAMEO」のリードトラック「wolf tap」。静から動への展開がドラマティックな、壮大な世界観を持った曲だ。思い入れが強いのか、吉﨑の歌にも熱が入る。それにつられるように、チャーとケンゴのリズムが太く分厚く響いてゆく。音と光の洪水がRizMを満たす。GOODWARPの決意を見るような「オオカミの足音」を、オーディエンスは固唾を飲んで見守った。

長い拍手のあとは、ケンゴの突き抜けるようなドラムが鳴り響いてムードを一変させる。軽快で、飛びきり明るいこの曲は「bravo!bravo!bravo!」だ。安心して聴ける2016年発表の人気曲だが、「CAMEO」リリースとツアーを経てパワーアップした印象。ちなみにこの日の会場には、この曲のリリース記念ツアー「ベラボーにブラボー!ツアー」の際に発売された「Night Wonders」Tシャツを着ている方も数名。

・・・充実感に満たされていると、あっという間にラスト一曲に。16曲目は「many many」だ。アルバムでもラストを飾るこの曲は、とにかくライブ向きの弾けられるナンバー!多幸感溢れるサウンドのなかで、ギターを手放した吉﨑が大きく手を振って会場を煽る煽る!オーディエンスも手を振ってそれに応える!それに後押しされた吉﨑が更に力強く、ステージを自由自在に動き回る!・・・これまでにない一体感が生まれていた。“まだ見ぬ世界へピース!”でVサインを高々と掲げた吉﨑の晴れやかな表情が、このライブとツアーの成功を物語っていた。


それでもGOODWARPはライブを愛す

「ありがとう!」最高だった!」と充実した表情でステージを降りるGOODWARPの面々。当然ながら、会場の拍手は鳴り止まない。笑顔が溢れるフロア。終わらない手拍子。再び高まってゆく期待感。・・・すると、再びGOODWARPがステージ裏から登場!全員「CAMEO」ツアーのTシャツに着替えている。吉﨑だけホワイト、他の3人はパープル。身軽になって、アンコールに全力対応の姿勢!メンバー全員、ワンマンライブの喜びを噛み締めている。ここで藤田が語った言葉が全員の素直な気持ちだろう。

「僕たちが100%の情熱で発信したものを、みんながどう受け止めてくれるのか。それがわかるのがライブ。SNSで誰もが自由に発信できる時代だけど、『本当に届いているのか』はわからないから。だから、ライブって、やっぱり良いよね!」

アンコール1曲目はやはりこの曲!「BOY」!「CAMEO」を引っ張る先行シングル。エモーショナルな吉﨑のボーカルを、藤田のギターがこちらもエモーショナルに追いかける!静と動を行ったり来たりしながら、徐々に高まっていくドラマチックな展開。吉﨑の紡ぎ出す言葉がしっかりとオーディエンスに届いていく。ダンサブルでありながら強い歌のチカラを感じる、いまのGOODWARPがたどり着いた新たな境地。それがライブでも存分に表現されていた。

そして、いよいよ本当に最後となるアンコールの2曲目は、おなじみ「レイニー白書」!思わず身体が揺れてしまうほどウネリにウネるチャーのベース。ケンゴのコーラスは新メンバーとは思えないほど絶妙だ。そして、最後の時間を惜しむように変幻自在に炸裂する藤田のギター!3人の創り出すグルーヴの上で、「CAMEO」を通じてボーカリストとして、フロントマンとして進化を遂げた吉﨑の声が踊る。これこれ!これがGOODWARP!と思える素晴らしい時間を生み出して、東京での単独公演は幕を下ろした。ちなみに、最後の「かき回し」では、吉﨑とケンゴの息はバッチリ合っていた!

公演終了後は、GOODWARPのメンバー4人が肩を組んでオーディエンスに感謝を伝えた。9月の「オフライブ」の開催が告知されると歓喜の声が。新体制になったGOODWARPはますますファンを楽しませてくれるはずだ!


GOODWARP CAMEO TOUR 2019
2019.7.20 at RizM Aoyama, Tokyo
“おしゃれにおしゃれにおしゃれに遊びなさい!”

Set List
1. 僕とどうぞ
2. Smile
3. ラブシティ
4. Snob beat(でっかく見せろ)
5. all the freaks around me !
6. Command C
7. 大人になれば 〜lights & music〜
8. yeeeyeee
9. Sweet Darwin
10. Souvenir
11. 真夜中のダンス 〜恋する爪先〜
12. STAR SIGNAL
13. 湾岸線のって
14. wolf tap
15. bravo!bravo!bravo!
16. many many
encore
17. BOY
18. レイニー白書

End.

-- text by Ohagi --

お読みいただきありがとうございます。GOODWARPを周りの人にもぜひオススメお願いします!管理人のフェイバリットソングは「直線距離」です!