見出し画像

インドネシアで出産したい!C317家族ビザを取ったよ

自己紹介/大阪在住。現在、第一子の育休延長期間中。夫はインドネシア人でダイビングエリアとして有名なマナド出身。ダイビングを通して知り合い、1年の交際を経て2016年に結婚。第一子ニコは2017年に誕生。第二子妊娠中。

夫実家であるインドネシアで里帰り出産をするために、出産予定日の5ヶ月前、妊娠18週頃から滞在ビザの準備を進めてきました。そして、本日、無事に317家族ビザを取得しました!めでたい!

これで、あとは現地の手続きを済ませれば更新なしでも入国から1年間、滞在し放題。出入国もOK。更新すると最長3年有効らしいです。

この記事ではビザ取得までの流れとややこしいポイントをまとめていきます。

里帰り出産に最適なビザは?

そもそも、里帰り出産をするのにどんなビザが必要なのでしょうか?日本人がインドネシアに滞在する場合、30日以内であればビザは免除されます。しかし、妊娠中は出産予定日の1ヶ月〜2ヶ月前までしか飛行機に乗ることができません。ということは滞在期間は1ヶ月を超えるので必然的にビザが必要となります。選択肢は2つ。C317家族ビザかB211Aシングルビザです。ただ、日本人が女性(妊婦)の場合は更新の手間が少ないことを考えるとC317家族ビザが最適と言えそうです。

一時滞在ビザ(C317家族ビザ)
就労目的のもの、そうでないものなど様々な種類がある一時滞在ビザの中で、主に配偶者をスポンサーとした家族同居するためのビザ。有効期限は1年で現地で最大2回更新でき、最長3年滞在できる。ただ、ビザ申請のために「VTT(ビザ発給許可証)」をまず取得する必要があるが、エージェントの助けを借りないと難しい。さらに現地の入管でITAS、MERPの取得、警察への届け出が必要で、手間やお金がかかる。
シングルビザ(B211A)
一次訪問ビザ、Visit Visaともいう訪問用のビザ。ソシアルビザもシングルビザに含まれる。有効期限は一般的には30日で現地で30日ごとに最大4回更新でき、最長150日滞在できる。VTTなしにビザ取得申請が可能で、現地での届け出は不要だが、毎月更新のために2回(申請と受け取り)入管に行く必要がある。また、更新にはスポンサー本人の同行も必要。

なお、子連れで里帰り・長期滞在する場合、通常子どもの分もビザが必要で、エージェント費用も2倍かかります。が、二重国籍の子どもであればビザ免除の方法も!記事の最後に紹介しています。

C317家族ビザでインドネシア滞在するための流れ

家族ビザ取得のためには、

1. VTT(ビザ発給許可証)の取得
2. ビザ取得
3. 現地でITAS(一時滞在許可)、MERP(数次出入国許可)の取得と警察への届け出

という3つのステップを踏みます。特にVTTのハードルが高いと聞いていたので、友人の勧めもあり我が家ではエージェント(株式会社デバンダさん)に依頼しました。費用は印紙代含めて税込76,050円。滑り込みで増税前の金額です。

1. VTT(ビザ発給許可証)取得

VTTはジャカルタ入国管理局が発行するもので、その後のことを考えると妊娠18週頃には着手、20週頃には申請、25週には取得しておきたいところです。万が一受理されなかった場合にシングルビザ取得に舵を切るための予備期間を確保しておきましょう。

インドネシア政府発行の結婚証明書やインドネシア人配偶者の戸籍謄本(KK)と出生証明(AK)カラーコピー、インドネシア現地の銀行口座、日本の戸籍謄本(英訳付き)や赤背景で襟付き着用の証明写真などを提出して申請します。

ややこしいのは3つ!

①赤背景で襟付き着用の証明写真
対応しているスタジオを探す必要があります。ビザ用証明写真の撮影に慣れていると安心です。私は大阪市西区のマツイ写真場さんに依頼しました。
②日本の戸籍謄本(英訳付き)
戸籍謄本の取得のために本籍地に行く必要があるのも面倒ですが、英訳が地味に面倒でした。特に第一子の目が離せない時期にPC作業はなかなか難易度が高い…。
③インドネシア政府発行の結婚証明書
実はこれのせいで危うくVTTが受理されない事態に陥りかけました。というのも、日本での結婚の場合、在日インドネシア大使館/領事館で結婚証明書を発行してもらうのですが、ここではそれに加えてインドネシア現地で発行された「Surat Nikah Sipil(結婚証明書)」も必要になります。ただ、以前インドネシアに渡航した時に役所で申請したものの、慣れた人がいなかったためか、「外国人配偶者の対応はできない」と突き返されてしまい、手元に該当の書類がありませんでした。当初はそれを理由に棄却されかけたのですが、デバンダさんのおかげでなんとかVTT取得に漕ぎ着けました。詳細はわかりませんが、現地の複数会社とのコネクションがあったことが大きかったようです。

2. C317家族ビザ取得

VTT(ビザ発給許可証)が発行されたら、次はビザ取得です。VTTに比べるとスポンサーレターや推薦状など、書かなければならない書類が多いです。我が家はデバンダさんがサポートしてくださってなんとか乗り切りました。私の場合、書類とパスポート原本を大使館に提出してから4日後にはビザが貼り付けてあるパスポートが返送されてきました。

その後の準備を考えると、遅くとも妊娠27週には取得できているのがベストです。「ビザが無理だからやっぱり日本で産む!」となった場合に産婦人科の分娩予約が終わっていた!とならないためには、もっと早く終わっている方がいいのだけど、ビザ取得から90日以内にインドネシアに入国しなければならないのでご注意を。

なお、ビザ申請のタイミングで航空券を提出します。インドネシア入国時の妊娠週数に応じてどの航空会社を利用できるか変わってくるので、必ず航空会社のポリシーを確認の上で航空券を購入しましょう。

ややこしかったのは、以下の3つ!

①日本人家族(母)からの推薦状
デバンダさんが書類のフォーマットを用意してくれたので、署名捺印だけでよかったのですが、急ぎで進めていたので実家まで帰って署名捺印してもらうことに。ただ、子連れで遠方に移動するのはなかなか骨が折れました。
②インドネシア人配偶者のスポンサーレター
これは最初、「準備してください」とだけ連絡があってフォーマットを探すところから始めました。が、いろいろと不備があったようで見かねたデバンダさんに用意してもらうという…意外とピッタリなフォーマットはネット上になかったです。
③航空券
夫のお休みが11月下旬からのため、私とニコの2人で先にインドネシアに渡航することに。妊娠中の長時間フライトは初。直行便がいいのか、トランジットで休憩ありの方がいいのか。また妊娠週数や単胎/多胎、健康状態に応じて、誓約書や医師の診断書、航空会社の医療センターの確認が必要な場合も。私はエアアジアでバリまで行き、丸一日ゆっくりした後にガルーダ航空でマナドへ。31週なのでエアアジアは出発30日以内の医師の診断書、ガルーダ航空はチケット購入後に母子手帳のコピーを事前提出するのと誓約書が必要です。(現地LCCのライオン・エアは28週を過ぎると「出発3日以内に書かれた医師の診断書」が必要になるため、候補から外しました。)必ず航空会社に問い合わせをしましょう。

3. 現地でITAS(一時滞在許可)、MERP(数次出入国許可)の取得と警察への届け出

このステップについては私自身もこれからなので、終わり次第追記します!

(別記事にまとめました!)

ITAS、MERPは入国管理局(イミグレーション)にて取得、その後、警察に届け出るようです。

現地での手続きについて、現在は以下の通りとのこと!

◯入国後30日以内に現地入管にてITASとMERP取得申請
◯ITAS発行後直ぐに現地警察にてSTM申請、役所にてSKTT申請(おそらく7営業日程で完了)
◯日本での居住のために帰国する際にはITAS返納(EPO)手続きを行い7日以内に出国する必要あり
◯SKLD申請は必要なし
◯日本の外務省に在留届を提出(オンライン申請OK)

ITASは過去、「KITAS」という名称でしたが、カード形式でなくなったことからKが取れて「ITAS」と呼ぶようになっているとか。また、ITAS取得の際には必ずMERPを取らなければなりません。MERPは「Multiple Exit and Re-Entry Permit」のことで、これがあるとビザが有効な期間中に出入国OKになります。

他にも参考になりそうな記事置いておきます。

また、今回のように海外の特定の場所に3ヶ月以上滞在する場合は日本の外務省に在留届を出さなければならないそうです(旅券法第16条)。ただ、こちらはオンラインで申し込めます。申請は以下より。

現在妊娠27週、出発の1ヶ月前。残すはニコのAffidavit

日本で今通っている産婦人科の分娩予約もとうに締め切られている状況だったので、家族ビザが取れて本当にホッとしました。

しかし、実はまだもうひとつ、我が家にはハードルがあるのです。第一子ニコのビザ免除(Affidavit)について。二重国籍を持つ子どもだけの特権なのですが、ここでもいろいろと苦労が…。

詳しくは記事にまとめたのでぜひチェックを!これがない場合、子どもであろうとビザなしに長期滞在できないのでご注意くださいね。


サポートくださったお金は、主に新しいアイデアの試作品を作るために使います◎