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頼りない生牡蠣のような感受性

汲む

茨木のり子さんの「汲む」という詩が昔から好きだ。
(長いので全文掲載はやめとく。URL貼っときますね)
https://ameblo.jp/1030kiku/entry-12420632816.html
前は意味もわからず好きだった。

大人になるというのは
すれっからしになるということだと
思い込んでいた少女の頃

私は、大人を見てヒネてしまいそうな少女がいたときに、茨木さんの会った素敵な女性になれるかな。

子どもの悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ難しい
あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと……

生牡蠣のような感受性を持ち咲きたての薔薇のようでいられるかな。

今朝この詩が読みたくて目が覚めて、改めて読んで「美しい人になりたい」と思った。美しさって、ミスユニバースに出たいとかじゃなくて。

背筋を伸ばして立っているんだけど、その体の奥底には震える、か弱くやわらかい心を持っていてもいいのだ。
それが麻痺したりかたくなに自分を曲げず、人を攻撃して堕ちていくのがよくないんだ。今まで麻痺させてみたりかたくなになって人を攻撃したこともあったから、それはそれで苦しさへの対処法だとわかっているんだけどさ。

泣いてもいいんだね。

大人だから、泣いたら美しくないのかと勘違いしてた。どんな時も笑顔で背筋を伸ばしていなくちゃいけないのかと思ってた。
強くあらねばならないのだと自分を騙していた。

そんなことないよ。

私は自分の弱さを愛そう。
時にサバンナのガゼルのように猛獣から逃げ出す私を認めよう。
時に雨を降り終わらせた雲のように消え入りそうな自分を撫でよう。
そしたらきっと、今以上にもっといろんな人を愛せる。

今はつらくても、そのつらさも人生の味みたいなもの。
ビールの泡みたいなものさ。

気づくのが少し遅れてしまったけど、大丈夫。
きょうがこれからの私の人生で一番若い日だから。

文学は人を救ってくれるね。
私はそんな物書きになりたい。

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