公開遺書

悪運が良かったらまた書くかもしれませんが、この日記は今日で最後。
決めたんです。
私は別の世界へとゆきます。

恨みつらみはありません。
ただ悲しみと気の抜け方が尋常ではなく、磯村瀬はもうこれ以上難しいと、
残った最後の力で判断しました。

ちゃんとできたときに家族が誰に感情をぶつけていいか困らないように、
私のデスクの引き出しには
瀕死の私に蹴りを入れて行った人たちの名前を書いていきますね。
昨日思いっきり蹴られて、旅立つ覚悟が決まりました。
証拠は全部残してあるから、なにかあっても裁判では勝てるはずです。
たくさんお金をもらって、少し余裕を持って暮らしてね。

家族へはちゃんと伝えたから、友人へ。
磯村瀬はいなくなるけど、悲しむことはない。
むしろ喜んで欲しい。
きっと、目は閉じていても、耳が潰れていても、その顔は私を苦しめるものから解放されて晴々としているはずだから。

教会の鐘が鳴る前にもう行かなくちゃ みんな元気で


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