見出し画像

令和で変われるか!?不動産業界の古い慣習ベスト5

いまは令和元年。
平成どころか昭和から変わっていないといわれるのが不動産業界だ。

今日はそんな業界の衝撃の事実を告白する。
よけいなことを言ったばかりに、明日僕は東京湾に沈められているかもしれない(笑)

ごく普通の人は不動産売買ってそんなに多く繰り返すものではない。
不動産業者と蜜に接する機会も多くないから実は知られていないことが多い。

生きた化石となりそうな、でもどこか愛すべき事例をご紹介する。
※1社だけのことではなく、いろいろな不動産業者のエッセンスを織り交ぜております。

自己紹介

簡単に自己紹介します。
ぼくはもともと大手不動産会社にいたり、デロイトというコンサルティング会社にいて不動産部門の立ち上げにも参画したりと、一貫して不動産に関わってました。
ちなみに実家も田舎で不動産屋をやっています。

そう、ぼくだって不動産業者の一員だったのです。

でも当時はなんの疑問も感じなかった。。

立場が変わると見えることも変わる。
変えるべきことは力をあわせて変えていきたい。
でも業界が変わるには時間がかかる。

一般の方(エンドユーザー)がもっと安心して不動産に関われるようにするために、業界が変わらないといけないと思うので発信していきます。

課題提起はしても、決して業界をディスる目的ではないのです!
さて本題にいきましょ!

①令和なのにガラケー

出典:闇金ウシジマくん

「あ、はいはい任して下さい。その売主さんはよく知っているのですぐ電話しますよ。」

ルノアールでよく聞こえる電話の会話。

先に結論!

ガラケーでルノアールでしゃべっていたら80%は不動産業者
(ちなみに残り10%は生保営業マン、残り10%は引退したおじいちゃんです。)※筆者推定

というかガラケーは生産終了しているはずじゃ。。。

と思ってよく調べるとdocomoからは新機種発売のニュースが!

2019年7月19日、ドコモはガラケーの最新機種「arrows ケータイ F-03L」を発売

これ、不動産業界団体からの強いニーズで発売したでしょ、絶対。(笑)


とはいえ最近の若い不動産営業マンはさすがにスマホ使用率が上がってきている。
でもここ2年くらいの話。

iPhoneが発売されたのは2007年だから10年以上経っている。
世の中の普及率はすごい勢いだったはずなのに。
まさにガラパゴス化している業界だ。

スティーブ・ジョブズもきっと落ち込むだろう。

出典:総務省 通信利用動向調査


でもすごいのは、ガラケーを使っているようなベテラン営業マンと話すと、
専門的な知識が滑らかに出てくること。

しかも、お客さんに電話するときには、
電話番号をダイレクトでプッシュしてかけはじめる。

大切なお客様の番号は記憶しているのだ。

聞いてみると、嘘かホントかお客様の電話番号は100件くらい記憶しているというツワモノもいる。
スマホやタブレットで知識をカンニングしながら営業しているような不動産業者には見習って欲しい。

ただし死角もある。

「これからLINEで連絡して」

とお客さんに言われたときだ。
ガラケーでも一応使えるが、けっこうつらいことになるだろう。

LINEはほんの一例だが、
こういった経験をもった不動産業者が、もっと世の中で活躍できるようにうまくITを取り入れられないかと考えている。

その恩恵を最大限に受けるのはエンドユーザーだからだ。

②令和なのにFAX

「さっさと物件資料のFAXを送りまくれ!スピード命なんだよ!(怒)」

とある事務所では所長がこんな怒号をあげる。

そう、ビジネスはスピードだ。

しかし、不動産業界においては別の命題を背負う。

FAX先着順の文化

例えば、売り主から物件の情報を仕入れた仲介業者A・B・Cがいたとする。
その情報を有力な買主候補である不動産会社Dに”紹介”する。

その際、FAXの早送り競争が始まる。

よーいドン

順位は

B社(情報仕入れたあと1分30秒後に発信)
A社(同1分40秒後)
C社(同2分後)

B社のみがD社と取引する権利を持つ。

いかに総合的に優秀なのがA社であっても、
FAXの送信がB社の方が早ければA社は負けなのである。

重要なのは物件資料に自社のロゴが入っているかどうかでしかない。

だから、物件情報を仕入れたら、この緑部分を自社のロゴに文字通り張り替えて
FAXで送りまくる作業が発生する。

業界的にいうと「帯(おび)替え」というやつだ。

今思うと柔道の儀式みたいな名前だ。

そして相手のFAXスピードを遅らせるために、
帯替えさせにくい物件資料のスタイルを日々”発明”している。

もはや何屋さんかわからない。

最近ではさすがにEmailにその役割は移行しつつある。
が、構造自体は変わらないから、1分1秒を争そって早く物件資料を買主の受信履歴にのせなくてはいけないのだ。

だからFAX送信専門のパートさんを雇っている業者もあるくらいだ。

そうするとEmailを送りつつ、併せてFAXも送って、電話までかける状況。
そんな業者が何社もいたらもう嫌がらせとしか思えない。

ユーザーにとって価値ある”スピード”は本来以下のようなものだ。

・交渉スピード
・売買手続きのスピード
・困った時のレスポンスの速さ

決して、情報をFAXで発信するスピードに尽きるわけではない。

有益なことをどのレベルでしてくれる業者なのかで評価されるべきだと考えている。
そこにテクノロジー活用で伸びる可能生がある。

FAXの送信スピードではなく、よりよい業者がちゃんとユーザーと接点を持てるような業界でなくてはならない。


③令和なのに紙資料が命

「PDFで届いた資料、大事だから紙で残しとけよな!」

不動産を購入した経験のある人は、不動産業界の紙文化はイメージがつくかもしれない。

たとえば、重要事項説明書の「添付書類」。

これがけっこう分厚い
2冊に渡る場合もある。
この太いファイルで、だ。

ただでさえ最近のマンションは面積が縮小傾向なのに、
あんなに分厚いファイルを一生保管しないといけないのかと憂鬱になる。
紙は返すから、いますぐデータでくれ。

たとえば、大手企業や不動産ファンドが保有するような大型の不動産の取引となると、これが桁違いになる。

物件を購入しようとすると、
ダンボール5~10箱の書類の山が到着する。

大げさではない。

業界的には「紙爆弾」というやつだ。

(イメージ)


文字通り爆弾で、これが届くと事務所はパニックだ。

キンコーズに持ち込んで数万円かけてPDF化して、
さらにそれを紙でもコピーして残す。
しかもよくわからないけど「念のため」といって2部づつコピーしたりする。

ダンボールの紙の山が指数関数的に増えていく。

温暖化の原因は不動産業界が作っているのではないだろうか。

取引だけではない
社内外の会議もほぼ紙ベースで進む。


不動産業界には「情報交換会」という業者同士の謎の集まりが数多く存在する。
これが本当に謎の集まり。


月に1度くらいの頻度で各不動産業者が10人くらい集まって、
紙で人数分印刷して持ち寄った物件情報を文字通り交換しあう。

そして「これはなかなか出ない物件だ」と決まり文句を全員一通り言って、
たいして盛り上がらずに会が終了する。

でも実はその後の飲み会がメイン。

メインなのによくわからないけど下ネタや、
どこそこの誰それが転職したらしい、というどうでもよい情報を交換する。

とにかく生産性がめちゃくちゃ低い。

いい情報ならメールで送ってすぐにオンラインMTG開こうよ。

情報交換するなら、他業種の人とマーケティング戦略の情報交換をしたほうが絶対いい。

ただ、対面でのやりとりが積み重なり、信頼につながっていたのも否めない。


このあたり、人の温もりを大切にする業界ならではの慣習だと思うのだけど、温もりを残しつつ、もっとよいやり方は絶対あるはず!

④令和なのに3K主義


「とにかくビラまきだ!あのへんのマンションに買主がいる気がする!戸数の多いマンションが効率的だ!上から下まで撒きまくれ!
管理人に見つかったらダッシュして逃げろ」

3Kとは、

勘(Kan)
経験(Keiken)
根性(Konjo)

の略だ。

ソフトバンクの孫さんがビッグデータだAIだといっても、
それは別世界のこととして右から左に聞き流している。

唯一定量的に信じているのは

「千三つ(せんみつ)」だけだ

不動産は1,000件まわってやっと3件くらいしか商談はまとまらないという昭和からの言い伝え。

(ちなみに千三つには裏の意味もあるといわれているが話をややこしくするのでココでは割愛する)

出典:「正直不動産」大谷アキラ

その世代の上司が変わらないものだから
若手は根性で走り回らなくてはならない。

一方で不動産は最もデータと相性がよいとも言われている。
だってそうだろう。

不動産ってデータの塊。
価格、賃料、駅距離、階数、エリアの人口や世帯動向
数字で語れないものはほぼない。

ぼくは3Kそれ自体は間違いじゃないと考えている。
3Kだけで解決しようとするから間違えるのだ。


3Kを持っている不動産業者がデータを取り入れたら最強なはず。

情報はもっとオープンにすべきだし、不動産業者はそれを有効活用して、
お客様と向かい合って語ることに注力すべきだ。

でもここには変化の兆しがある。

不動産テック協会という団体ができたり、
テクノロジーの活用で不動産業務は徐々に変わりつつある。

出典:不動産テック協会

大事なのは、いままで不動産業界の先人が培ってきた3Kを、
いかんなくユーザーに還元できるようなテクノロジーとの融合だ。

⑤令和なのに囲い込み


「あ、すいません、もうお客さんいるので御社のお客さんへの紹介はNGで!」

この電話トーク、一体何がおきているのか。
詳しい人なら知っている業界の悪しき慣習

「囲い込み」
だ。

これは上であげた4つの事例とは全然違う。
上の4つはどちらかというと一生懸命な愛すべき姿だった。

しかし、囲い込みは明確にユーザーの利益に反する行為だ。

売主にとってやっと現れた買主が、他の仲介業者のお客様という理由だけで、仲介業者が勝手に断ってしまうのだ。

理由は簡単

囲い込みきって両手取引ができれば、
不動産業者の仲介手数料が2倍になるからだ。


昭和から平成の間、何もしらない売主を騙し続けたこの手法。
実質的な防衛手段があまりないため、いまだ行われている。


解決するには、いまは不動産業者しか見ることができないポータルシステムの「レインズ」を一般の人も見れるように開放するのが一番早い。

本当に開かれた市場をつくるためにレインズの開放は強く要望したい。
それが、業界や業者のサービスが進化するタイミングになるだろう。

まとめ

以上、皆さんにとってはどれがインパクトがあっただろうか。

ガラケー
FAX
紙資料が命
3K主義
囲い込み

さすがに平成の終わりから徐々に変わりつつあるが、
変わりにくいのが不動産業界の特徴だ。

なぜかと考えると、法令や業界団体に守られすぎていて、
ダーウィンの進化論的にいうと、「生存競争」が働かなかったからではないだろうか。

たとえばAmazonが進出してきたことで、
書店やスーパー、百貨店は変化をしなくては生き残れない状況だ。

日本の不動産業界は守られすぎていた。
そしてその不都合を背負っていたのはユーザーだった。

ついにそのAmazonも不動産業界に進出してきた。

日本の不動産業界もユーザーファーストで変わらなくては生きてけなくなる時が迫りつつある。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

不動産業界の透明化・活性化のための仕組みづくりを模索中。フィルライフ(リブセンス・スターツ合弁会社)取締役。これまでDeloitteグループの不動産部門立ち上げ等実績。 / MBA・宅建士・賃貸不動産経営管理士/不動産相談窓口:mikata.top

よろしければシェアお願いします^^
30

小池 俊光(Koike Toshimitu)

不動産業界の透明化・活性化のための仕組みづくりを模索中。フィルライフ(リブセンス・スターツ合弁会社)取締役。これまでDeloitteグループの不動産部門立ち上げ等実績。/ @k_toshimitsu / MBA・宅建士・賃貸不動産経営管理士/不動産相談窓口:mikata.top

次世代を幸せに生きるためのnote

次世代を幸せに生きるためのnote
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。