第16話:決断➁

前回までのあらすじ:

起家で親マンを和了って、今日はイケる!と思ったところで少牌をしてしまい、ツキの流れが完全に「うらさん」に傾いた時に奇跡を起こした「決断」が、人生の中での大きな「決断」をした時を思い起こさせた話し。

「飛び込み営業」をしながら、どうやったら契約が獲れるのかを考えながら自分のトークを磨いていった結果、1か月経った時に部長から呼ばれた。

「お前、明日からマネージャーやれ!」

アルバイトだったはずが、「正社員」へ登用されるだけでなくいきなり「管理職」でのオファーだった。仕事の結果を評価をされたのは嬉しかったものの自分が目指していた「価値観」のようなものが違っていたため、アルバイトを辞める事にした。

「うーん、何かが違うなー」

次に始めたのは「グットウィル」でのアルバイトだった。アルバイトをしながら、もう1社ピックアップしていた「インテリジェンス」の求人情報を転職雑誌で見つけた。求人内容は覚えていないが、デザインが斬新だった。一人の女性が足を組んだ写真が目を引いた。どうやら、その記事を見つけた日の午後から採用セミナーを開催するらしかった。ちょうど、その日は「グットウィル」でのアルバイトはお休みの日だったので、その採用セミナーに申し込みをして、慌てて「履歴書」や「職務経歴書」を手書きで書いてセミナー会場がある「青山一丁目駅」に向かった。

採用セミナー会場には、「50人」ぐらいの参加者がいた。セミナーが開始した。創業者の宇野さんからの話しに引き込まれていった。まだ若い!僕とそんなに変わらないに、起業して事業を軌道の乗せ、これからもっと「成長」していくためには「仲間」が必要だと。宇野さんの話の後で、先輩社員数人の話があった。先輩社員の方々も、自分たちのやっている事業に自信を持ち目がキラキラしていた。

「社会に価値ある何かを残そう!」

宇野さんが最後に言われた言葉が胸に刺さった。外資系生命保険会社では、そこそこ稼いではいたが、何か違和感を感じていたのは「個人営業」だったからだ。大学まで、「野球」や「アメフト」と団体スポーツをやっていたせいか「組織」「チーム」として勝ちたかった。また、一人だけの力だけでは社会にインパクトを与えられる事は出来ない!その当時、インテリジェンスは、アウトソーシング事業、新卒採用事業、派遣事業、人材紹介事業を展開していたが、宇野さんに言われたこの言葉は今でも何かを決断する際の指針にもなっているが、この言葉で「決断」した。

「何をやるかじゃなく、誰とやるか!」

前述した3社の中では、売上規模も従業員数も少なくこれからどうなるかなんてまるで分らなかった「インテリジェンス」を選ぶ事にした。今、思えばあの時の「決断」がその後の「人生」にどれだけ大きく影響するかなど知り由もなかったが、振り返ってみるとあの時の「決断」は正しかった。

かなり話が逸れたが、話を麻雀に戻そう!笑

自らのミスで、「流れ」を完全に失いかけていた僕だったが、「チャンス」が訪れた。しかも「役満」の中でも一度挙がったことのある「四暗刻」だった。

そんな「チャンス」で「決断」をしなければいけない瞬間が来た。当たり前だが、「四暗刻」を挙がる確率はほぼ奇跡にしかい数字だ。しかもツキの流れを自分のミスで変えてしまい、負けが重なってきている状態で、奇跡に近い役満を狙うというのは、さらに負けを増やしていく事になるかもしれない。そんな時に、5ピンを引いて、4ピンー7ピン待ちの満貫手のテンパイ。場を見ると6ピンは出ていなかったので、まだチャンスはありそうだ。一瞬、役満よりはまだ和了りやすい満貫の手を選ぶか迷ったが、満貫手のテンパイを捨て奇跡の四暗刻を狙いにいった。

次の自摸で6ピンを引き、これで何と自摸ったら「四暗刻」。6ピンと中待ちだった。あまり、盲牌が得意でない僕の中でもいくつか出来る牌があるが、「中」もそのひとつだった。そんな時に「奇跡」が起こった!!

あの一瞬の「決断」が正解だった!

今でもあの時の「採用セミナー」を忘れていないように、今回の「中」を盲牌したあの手の感触は当分忘れないだろう・・・

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