一杯で三度楽しめるコーヒーを飲んだ昼

食後のコーヒーに、謎のかっこよさを感じている今日この頃。

ランチタイムのドリンクに、食後のコーヒーを選んでみた。

食事はボリュームたっぷりのハンバーグ。食べ終わる頃にはお腹がパンパンだった。

・・・

食事を終えると、お店の人が食器を片づけてくれた。

出されたのは、抹茶をいれるような器。中身はまぎれもなくコーヒー。添えられているのは、茶色い角砂糖とミルク。

「わーお」

と言いながら、その佇まいにキュンとした。

眺めるのに満足したところで、とりあえず一口飲んでみる。

残念なことに、第一印象は「あつい」。だったけど、後味が不思議な感じで、もう一口。「なんだなんだ」ともう一口。

決してコーヒーに詳しいわけではないけれど、なんとか一緒にいる彼にその味を伝えたくて。その一心で、一口飲んでは言葉を探した。

「ちょっと酸味があって、でもすごくサッパリしてて、飲みやすい!!」

なんとか感想を言葉にしてみる。

それから、ちょっと落ち着いたところで、気分を変えることにした。

コーヒーに、トレーに放置していた角砂糖を溶かしてみる。

今度は熱さもいい具合に収まって、すっと口に入ってくる。

ほどよい甘さ。甘いと言うより、飲みやすい。

もとからサッパリとした感じが飲みやすかったけど、それよりももっと口に馴染む感じだろうか。

味の変化が楽しくて、「せっかくだから」とミルクも入れる。

ミルクが入ると、味はいっきにまろやかに。そしてやっぱり、飲みやすい。

「わー、すごいなー。お店のコーヒーってこんなにおいしいんだ」と感動した。

・・・

もうずっと、そのまま座っていたかった。そして、彼にそのコーヒーの美味しさを語っていたかった。

だけど、それではその日のメインイベントに、遅刻してしまう。

膨らんだお腹をサスサスして、また来ようと心に決めながら、私は店を出ていった。

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