パピコをシェアされて幸せになった

夏と言えばアイス。冷たいアイスは、熱くなった体をなだめてくれる。

今年も北海道の夏は一瞬で過ぎ去ったけれど、それでも1週間ほど暑くて仕方のない時期があった。しかも、北海道で暮らしていると、暑さへの耐性がまったく育たないので、少し暑いだけで本当に嫌になってしまう。

そんな憂鬱な夏。ちょっと幸せな出来事があった。

いつものように学校で作業をしていると、友達が部屋に入ってきた。手にはビニール袋。おもむろに取り出したのは、みんな大好き「パピコ」。

「わー、アイスだ!いいね~。」なんて言ってみたら、彼女はそのパピコを半分私にくれた。パピコをシェアするなんて、いつ以来だろうか。そんな食べ方があることも忘れていたので、突然のシェアに私は感動してしまった。

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そんな暑い夏の日があったのは、もう1か月ほど前のこと。今日の札幌の最高気温は23℃だった。風も強く、冷たい。半そでのTシャツに、薄手の上着を羽織って外に出たら、寒くて驚いてしまった。

雪まつりで有名な大通公園に、夏になると現れる巨大ビアガーデンもたたまれて、札幌はついに長い冬に向かい始めたようだ。

今年の夏は私が札幌で過ごす、最後の夏だった。来年札幌を離れるときには、まだ雪が残っているだろう。

冬に北海道を訪れる観光客は多いけれど、私は絶対に夏に旅行に来ようと思う。冬は雪のせいで交通機関のダイヤも乱れがちだし、なにより寒くてゆっくり観光どころではない。毎年雪まつりには顔を出しているけれど、寒くて2時間ほどで地下にもぐってしまう。

もちろん、スキーやスノーボードなど、ウィンタースポーツを楽しむためには冬に来るしかないけれど、それ以外なら夏で十分だ。

来年、北海道を訪れるときには、自分は観光客になるのだと思うと、なんだか不思議な気分だ。今、街を歩いて「楽しそうだな~」と思いながら眺めている自分も、もうすぐ眺められる側になるんだな…。

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