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もうデザインが遅いと言わせない #超ハイスピード デザイン術

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セミナーで大反響だった手法を公開します!

こんなやり方、誰も教えてくれませんでした(^_^;)
(神奈川県 デザイナー 48歳)

■■ はじめに

 おつかれさまです。GOROLIB DESIGNの渋谷吾郎です。

 この本は、デザインが遅くて困っている人に向けて書きました。

 デザインの学校では、デザインを早くする方法を教えてくれません。

 早く仕上げようとすると、考慮が足りないと言われます。もっと時間をかけるようにと言われるのです。

 ところが、デザインの現場で求められるのはスピードです。デザインで食べていくには、商業デザイナーになる必要があるからです。

■ 商業デザインは商売である

 商業デザインは、商品やサービスの販売促進のお手伝いです。絵心を使って、その商品やサービスが売れるように表現するのです。

 チラシやポスター、ランディングページやバナー広告などは、すべて販売促進の一環です。

 自分で認識しなくても、デザインでお金を稼いでいる人は、商業デザイナーです。

 商業デザインは、商売です。商売ですから、予算があり、納期があります。

 そのため、人件費や作業時間は限られています。

 いつも予算オーバーでは、会社は存続できません。納期に間に合わなければ、次の仕事は来ないのです。

■ 時間をかけても良いデザインはできない

 デザイナーは、デザインには時間をかけなければいけないと思い込んでいます。

 限りある納期の中で、できるだけ時間をかけようとします。活動時間には限界があるので、食事や睡眠時間を削っています。

 しかし、これは誤った考えです。

 商業デザインの質は、目的に合致しているかどうかで決まります。目的とは販促活動のことです。

 時間をかけても、目的に合致していなければ、良いデザインにはなりません。商売における良いデザインとは、これなら買いたい!と思ってもらえる表現のことです。

 良いデザインにするためのアプローチが、間違っているのです。

 この本では、極めて短時間で、良いデザインができる方法をご紹介します。

■ デザインに時間がかかる原因

 デザインに時間がかかる原因は3つあります。

■(1)構造分析されていない

 1つ目は、構造分析がされていないことです。

 構造分析とは、伝えるべきことを整理する作業です。面倒に見えますが、10分もあれば完成します。

 構造分析は【6w3h】で行います。

【6w3h】…★は特に大事なもの
・what(いったいこれは何か)★
・when(いつ)
・who(だれが)
・whom(ターゲットは?)★
・where(どこで)
・why(どんな良いことがあるのか)★
・how(どうやって)
・how much(いくら?)
・how many(何回)

 特に大事なのは、what、whom、whyです。いったいこれは何で、ターゲットは誰で、どんな良いことがあるのかということです。

 この3つがクリアできなければ、デザインはできません。

 商業デザインの質は、構造分析を満たしているかどうかで決まります。

 ポップな内容に、楷書体は使いません。シニア向けに8ポイント文字を使えば「読めない」と言われます。

 デザインレビューの本質は、構造分析を満たしているかどうかです。構造分析がなければ、そのデザインの評価すらできないのです。

 なぜ楷書体なのか、なぜ8ポイント文字なのか、すべてのデザイン要素には理由があります。その理由は、構造分析に裏付けされているのです。

■(2)イラストレーターでデザインしようとしている

 2つ目は、イラストレーターでデザインしようとしているからです。便宜上、この本ではデザインアプリを「アドビ イラストレーター」とします。

 いきなりPCに向かってはいけません。

 イラストレーターでデザインなど、できないのです。脳内の漠然とした世界を、いきなりミリ単位に落とせるわけがありません。

 イラストレーターを「デザインできる夢の道具」だと勘違いしているのです。イラストレーターでデザインすることが、かっこいいと思っているだけなのです。

 イラストレーターは、トレースする道具です。

 かつての雲形定規やロットリングペン、ポスターカラーが、電子化されたに過ぎません。

 時短するには、すべてをラフスケッチに落としこむことです。ラフスケッチは、10分もあれば完成します。

 ラフスケッチは、鉛筆で紙に描きます。それをスキャンして、はじめてイラストレーターに向かうのです。

 イラストレーターは、ラフスケッチをトレースする道具なのです。

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■(3)イラストレーターに精通していない

 3つ目は、イラストレーターの機能に精通していないからです。

 10年来のベテランでも、整列パネルを使わない人がいます。アピアランスの存在を知らない人もいます。かたくなにPDF入稿を拒む人もいます。

 また、スクリプトによる30倍の効率化を知らない人もいます。30分の作業が1分になるスクリプトがあります。使い続ければ、ひと月の作業が1日になるのです。

 かつて不便だったものは、時を経て便利になっています。

 最新の情報を集め、道具に精通することは、とても大事です。

■ デザインに時間がかかる原因を根絶します

 現場では、デザインに時間がかかる3つの原因が混在しています。

 伝えるべきことを整理しないまま、いきなりイラストレーターに向かい、知っている機能だけでデザインしようとしているのです。

 これでは、早くできるわけがありません。

 PCの前で「何をしたら良いか分からない」のは、これが原因です。

 本文では、この3つの原因を根絶します。そして、誰でも簡単に短時間でデザインできる方法を提案します。

 お役に立てれば幸いです!それでは始めていきましょう。

【目次】

■ はじめに
・ 商業デザインは商売である
・ 時間をかけても良いデザインはできない
・ デザインに時間がかかる原因
・(1)構造分析されていない
・(2)イラストレーターでデザインしようとしている
・(3)イラストレーターに精通していない
・ デザインに時間がかかる原因を根絶します

■ 第1章:伝えるべきことを整理する
・ 構造分析を行う
・ 特に大事な what、whom、why
・ what(いったいこれは何か)
・ whom(ターゲットは?)
・ why(どんな良いことがあるのか)
・ その他の要素を埋める
・ 伝えるべきことが際立つ
・ 伝えたくないことを決める

■ 第2章:ラフスケッチでデザインする
・ まずは脳内で寝かせる
・ 脳内ではデザインがスタートしている
・ ラフスケッチを起こす
・ なぜ小さく描くのか?
・ なぜ紙と鉛筆を使うのか?
・ すべてA4で作ればよい
・ 原寸大の設計は正しいのか?

■ 第3章:超ハイスピードデザイン術の実践
・ ラフスケッチのスキャン
・ スキャン画像トリミング
・ スキャン画像をIllustratorへ
・ 1:√2 に補正する
・ 小さく描くと錯視修正ができる
・ 超ハイスピード文字入力とは?
・ 文字がデータ支給されるとは限らない
・ 音声入力
・ OCR
・ 文字入力のチェックはスピーチで
・ 文字入力はプレーンテキストで行う

■ 第4章:サンプルのご紹介(税理士法人 小山・ミカタパートナーズ様)
・ 構造分析
・ 他の認定支援機関がターゲット
・ いったいこれは何かを考え抜く
・ ラフスケッチを行う
・ ラフスケッチはトレースのためのメモ
・ フォントもイメージしておく
・ ウェイトが与える印象の違い
・ 写真やイラストもイメージしておく
・ トレースする
・ トレースはグレースケールで
・ 配色は2~3色で
・ 変動要素は仕上げない

■ おわりに

© 2019 GOROLIB DESIGN

■■ 第1章:伝えるべきことを整理する

■ 構造分析を行う

 デザインを早くするには、伝えるべきことを整理することです。

 これを構造分析と呼びます。

 お金がもらえるデザインは、そのほとんどが商業デザインです。商業デザインとは、商品の販促活動であり、その最終目的は売り上げアップです。

 そのためには、構造分析が必要です。構造分析は、6w3hで行います。

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