早々に2022年2発目。の前にちょろっと世間話

先日放送されたTBSの「ジョブチューン」で炎上した小林幸司シェフについて知り合いの料理人から聞いた話。その料理人はこの件については知らなかったのですが何の気なしに「この料理人が炎上して～」とスマホで検索した写真を見せた瞬間、「あー、この人か、超有名人だよ、本物の料理キチガイ」と一言。曰く、既に方々で語られていると思うが「1日1組限定の店」をオープン、同じ料理は二度と作らない等、スキルに絶対的に自身が無ければ不可能な事を行っており、業界的にも「本物の料理キチガイ」で通っているそう。そんな人にコンビニ飯を食わせるなんて知っている人から言わせれば「起きて当然」とのことでした。

番組の絵面的には確かに商品開発の人が泣いてしまったりと完全に悪者扱いされており、「食べてあげれば良いのに」といっているが一流の料理は様々な本でも語られている通り、五感全てで味わうものだ。特に盛り付けに関しては超重要で、盛り付けについての専門書も多数出版されているほどだ。なので、小林シェフの言う「食べる気にならない」というのは一流の職人からしたら至極真っ当な発言だと言える。

料理人というのは「超体育会系」の社会だ。話を聞いた知人も誰でも知っているような有名店で修行していた際にちょっとしたミスや確認をしただけで先輩シェフから怒号は当然、手や足は出る、果てには包丁が飛んでくる事もざらだったとか。また、別の知り合いでこちらも有名な店でパティシエをしていた女の子も給料がとても低く仕事は超多忙で毎日13時間前後の労働という、本当の職人の世界なのだとか。別に上記のような事を肯定しているわけではなく、知り合いシェフもこのしごきに対して、人が定着もしないし「マジ無駄」と言い切っているが。

そんな世界でほんの一握りしかなりえない超一流のシェフに料理を食べてもらう事がどういうことか。そしてテレビとかスポンサーとか一切関係ない「料理キチ」にコンビニ飯を食わせるとどうなるか。そらこうなるわ！そして最もアホなのがSNSや小林シェフの店に誹謗中傷を書き込んでいる知能指数が3ぐらいしかないやつら。どんだけネットに書き込んでもそういう層を相手にしていない小林シェフ側は一切影響は無いだろう(店にイタ電とか業務妨害的なのは別として)

久しぶりにネチズンにイライラしたので長くなりましたが表題、その前に事前説明。HIPHOP業界においてはパクリパクられが「サンプリング」や「影響を受けた」等の名目でぼやかされるのは日常茶飯事だが、あまりにもまんまだとDISの対象になる。最も有名なのはZEEBRA→KJ、KREVA→HilcrhymeのTOCとかか。(ZEEBRAがそもそもDMXのパクリという意見もあるがZEEBRAのフローはDMXがデビューする前からなので勉強しなおしましょう。)

最近は海外シーンのフローやビートをもろパクリした内容スカスカのゴミラッパーが台頭しており(eydenとか何が良いんだ・・俺もおっさんになったのかな・・)暗黙的な感じになってしまっているのが残念。もちろん昔から海外シーンのラッパーから影響を受ける事は当然なのだが、それを研究した上で日本語に落としこみオリジナルに昇華させるというHIPHOPのサンプリング美学に基づいた原理だった。わかりやすく曲にするとマボロシの「廻し蹴り」におけるMUROのバースがBig Daddy Kaneの「Set It Off」を忠実に日本語で再現するという恐ろしく高等なことをしていますが、これは完全にサンプリング美学にのっとっています。

さて表題。名古屋を拠点とするラッパーのOSAとDJ/トラック担当のDJ MOISTのユニット。2005年から活動しているとの事ですがユニオンで見つけるまで全く知らず、ジャケもいいにおいがしたので購入。聞いてみるとオケはジャケから想定されたとおりのジャズ要素強めでいい感じ・・と思ってラップが入ってきた瞬間「・・・え！ハンガーじゃん！GAGLE以外にやってたの？」と思ってしまうぐらいマジでハンガーそっくり。本当にそっくり。ご存知のとおりハンガーのラップはかなり独特のスタイルで、韻とは別に単語の頭やお尻の一文字にイントネーションを置き、さらに文節も特殊でとても高度なフローをしている。それゆえ似たラッパーというのを聞いた事がなかったのだが・・居たわ、完璧に完コピしているラッパーが・・・おまけにトラックもMITSU THE BEATSが作りそうなビート、声もハンガーと似ており、要するにGAGLEファンは絶対に買いってことですよ！2曲目「NO TRY,NO RETURN」はこの特殊フローに対して相性の良いBPM早めのメロートラックで普通にむちゃくちゃかっこいいです。

このユニットを上記の「HIPHOP的サンプリング」なのか「パクリ」なのか。諸々のラッパー含めて議論の種にしたいもんです。