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姉ちゃんのおやき

3月に入ると、日にち感覚もわからなくなるぐらい、気もそぞろになる。

あれは、ホワイトデーだった。

ホワイトデーもすっかり忘れて、天気がいいので、草取りにはげむ。

途中、あそこも、ここも草が目につき、草かきになる。

地面が、まだ霜柱が立った痕跡があり、浮いたような状態だ。

そこを、草かき鍬で、ぼりぼりと草をかいていく。

完璧を目指そうとしない、出来る範囲内のところでやめておく。

そこで、姉ちゃんの定番手作りおやつが、出来たてホヤホヤのおやきだった。

今までの甘いなんとかケーキ、蒸しパンよりも、オヤキが一番おいしかった。

具は、野沢菜の佃煮、柿ジャムいりの2種類。強力粉と薄力粉を混ぜて、作ったらしい。フライパンで、焼いたらしく、丸い焦げ目ができていた。

少し、汗ばむ頃には、野沢菜のしょっぱさが欲しかったところだ。

素朴な味が、本当に美味しかった。

農作業とまではいかないが、庭木の手入れ、草かきには、オヤキがむいているようだ。

残りをラップで包んでくれて、いつもなら、2,3日後に食べるのに、オヤキは、その日の夕飯後、小腹がすいたところで、パクパクと食べることができた。

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