さくらももこ先生と僕。

さくらももこ先生が亡くなった事に僕はかなりショックを受けている。僕が小学生の時にりぼんでちびまる子ちゃんが連載されていて、アニメ化されて一大ブームになっていた。あの頃テレビは踊るぽんぽこりんがずっと流れたいたし、僕らの世代はみんなちびまる子ちゃんを読んでいたし観ていたと思う。
大人になって改めてちびまる子ちゃんを読むと色褪せないその面白さに驚かされる。時代とかブームとか関係なくちびまる子ちゃんの面白さは絶対的で、シュール&ギャグ漫画というジャンルであの漫画を越える作品は僕が生きている間にはでないんじゃないかと思う。
僕が特にすごいと思うキャラクターは永沢くんである。卑屈な性格でいつも嫌味ばかりいっている永沢くん。作品の途中で永沢くんの家が火事になって全焼してしまう。その出来事でクラスメイトから同情を集める永沢くんだったが、しばらく経つとその同情を利用して得をしようとしている事にクラスメイトに見抜かれてしまったりする。この一連の流れを少女漫画であるりぼんでやっちゃうんだからさくらももこ先生は凄すぎる。思いついちゃうのも凄いし、ちゃんと描くのも凄い。ごめん、すごいという感情しか出てこない。あと僕がすごい好きなエピソードがまる子がおじいちゃんに寿司屋に連れて行ってもらう話。友蔵の年金にたかってローラースルーゴーゴーを買ってもらい、花輪くんが行くような高級寿司屋にいって、しかも大トロ頼んだり花輪くんと同じ高い寿司を頼みまくるまる子、その横で友蔵はシメサバを食べ続けて寿司屋の大将に「おじいさんシメサバ好きっすね」と言われて「はい、シメサバ好きっす」と答える友蔵。僕はこのシーンを読んでお腹がよじれるくらい笑った。しかも結局支払いが足りずローラースルーゴーゴーを抱えておもちゃ屋に返品しに友蔵が走るシーンは一生忘れないと思う。ほんとうにちびまる子ちゃんという漫画はどの回も伝説で読んだ人はみんな覚えていると思う。はまじの家の汚い屋根裏部屋でクリスマスパーティーをやって、最後にはまじのおじいちゃんが現れて「こんな汚い所で飲み食いするのなんてワシは絶対にしたくない」と言うシーンとか、、もう書き出したらキリがない、それくらいに脳裏に焼き付いている。
そしてさくらももこ先生の凄さは漫画に止まらなかった。【もものかんづめ】【さるのこしかけ】【たいのおかしら】伝説のエッセイ本です。僕の知る範囲ではあるが、笑えるエッセイ本でさくらももこ先生に勝てる人はいないと思っている。高校生の時にもものかんづめを初めて読んだ時、僕は笑い過ぎて呼吸困難を起こした事がある。もうやめてくれ!これ以上笑わせないでくれ!と思いながら、しかしページをめくる手は止まらなかった。ベストセラーなので読んだ人も多いと思うけど、もしまだという人がいたら是非読んで欲しい。笑って死ぬ事があるという事を思い知らされる一冊です。こうやって書きながらまた読みたくなってます。そしてその気持ちと同時にさくらももこ先生が亡くなってしまった事を本当に悲しく思う。

僕の座右の銘がある。

「ばかでもやさしい方がいい」

これは【神のちから】というさくらももこ先生の漫画に出てくる言葉なんだけど、初めてこの漫画を読んだ時はまだ僕の理解力が足りなくてその面白さがわからなかったんだけどこの「ばかでもやさしい方がいい」という言葉が僕の心に突き刺さったのを覚えています。今でもこの言葉を心の中でよく呟いています。そしてこの言葉はさくらももこ先生が作り出した数々の作品の核の部分なんじゃないかと勝手に思っています。さくらももこ先生の作品ではバカなキャラクターがたくさん出てくるし、バカみたいな出来事がたくさん起こります。でもそのキャラクターやその出来事は誰も傷付ける事なく読む人を笑わせて、幸せな気持ちにさせてくれます。
さくらももこ先生が僕に残してくれたその言葉を忘れずに生きていくと思う。

「ばかでもやさしい方がいい」

さくらももこ先生のご冥福をお祈りいたします。
ほんとうにありがとうございました。

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