ドミナリア環境で3日間ドラフト合宿したので記事書いてみた

■自己紹介

初めまして。
ゴサクと申します。
私のことは知らない方が大半だと思いますのでまずは自己紹介。

私はマジック・ザ・ギャザリングを楽しむ関西在住のプレイヤーです。
普段はMO(Magic the Gathering Online)でマジックをプレイしています。

何かタイトルを勝ち取ったということはありませんが、

《歩行バリスタ》入りのマルドゥ機体や
http://www.izzetmtgnews.com/archives/34551

《スカラベの神》入りのティムールエネルギーで
http://www.izzetmtgnews.com/archives/47933

MOPTQの上位に入賞し、当時珍しかったこれらのデッキがその後スタンダード環境で流行する事になったのは誇らしく思っています。
スタンダードの結果を書いていますがMOのレートは構築よりリミテッドのほうが高い時が多いです。

ちなみに一番得意なフォーマットは「チームシールド」です。
毎回チームを組んでいるHareruya Hopes大木君のチームリミテッドGPの順位を見ていただければと思います。
http://pros.hareruyamtg.com/player/%E5%A4%A7%E6%9C%A8-%E6%A8%B9%E5%BD%A6/

もしかすると大木君が強いだけという説もありますが。。

■今回やったこと

私の家では毎回新セットが発売される度にドラフト練習合宿を開催しています。
今回の「ドミナリア」でも3連休を利用して11回ドラフトしました。
そこで得た情報が非常に多く、何かの役に立てないのはもったいない!と考え記事にすることにしました。
自分で読み返すためのまとめも兼ねています。

参加メンバーはブロンズレベルプロだったりPPTQぐらいはスッと抜けたりする方々です。
プロツアー「ドミナリア」権利持ちも参加し、更に週末にはGP北京(リミテッド)が控えていることもあり練習意欲の高い集まりになりました。

念の為、所詮は11回程度の結果ですので、統計的な結論を得るには程遠い試行回数だと思います(統計学の事はよくわかりませんが)。
あくまでプレイや意見交換による私の所感を踏まえて書いています。
それでも8人×11回でのべ88回分のドラフト結果を踏まえた意見交換をしたと考えると1人で練習するより効率は良さそうです。

■3-0デッキ

まずは各ドラフトで3-0したデッキを見ていきましょう。
デッキ撮影のルールを特に設けていなかったので並べ方が統一されていない点はご容赦ください。

1回目の3-0デッキ。2マナクリーチャーが全く入っていません。

2回目の3-0デッキ。
《ラノワールのエルフ》から《鉄葉のチャンピオン》や《ランプのジン、ザヒード》を出す動きが強そうです。

3回目。2マナのカードはキッカー持ちやマナクリ等が多く、純粋に2マナの戦闘力としてカウントされるものは1枚だけです。

4回目は歴史的呪文が10枚入ったデッキです。
《クルーグの災い魔、トラクソス》や《呪われし者、アルヴァード》の強さを活かせそうですが、アンコモンの量に依存するため再現性は低い(似たデッキを狙って作りづらい)かも。

5回目はマナ加速から強力なスペルをキッカーで唱えるデッキ。
クリーチャーは後半強力なものだけに絞られています。

6回目。豊富な除去とドローが目立つデッキです。
こちらも2マナは少なく3マナ域が膨らんでいます。

7回目。キッカー持ちの重いカードが多いデッキ。先程の赤青デッキと同様、マナ加速カードが多く採用されているのが目立ちます。

8回目はこちらもマナ加速から強力なクリーチャーを早く出すデッキ。
トークンがブロックされなくなるギミック入りです。

9回目の3-0。
ゲームを決める飛行クリーチャーやボーラスの手中といったカードが多めに入っています。また、6マナの地上クリーチャーが3枚も入っています。

10回目。
赤黒のビートダウンに見えますが、4マナ域がかなり膨らんでいます。
攻撃的なデッキでも後半のパワーが重視されていますね。

11回目のドラフトで勝ったのはここまで見なかった赤の濃いビートダウンデッキ。環境理解が進んで赤いデッキの組み方も浸透してきたようです。

12回目は集計していませんがオマケの7人ドラフト。パックから出た《豊潤の声、シャライ》と《黎明をもたらす者ライラ》を使っているだけでなく回りを固めるコモンも強い、とんでもないデッキができてしまいました。

■色ごとの勝率

一応色やカラーコンビネーション毎の勝率も載せておきます。

カラーコンビネーションだけだとイマイチデータの量が足りていない印象。
赤青や黒緑が組まれやすいのかな、という程度のことしかわかりません。

一方単色での勝率を取ると露骨に差が出ています。
青の勝率が高く、赤も若干数は少ないものの勝っているようです。
緑は人気色ですが人気があるが故にカードを取り合って勝率はそこまで出ていない様子。
ただ「緑多色」というアーキタイプの成績がとんでもなく悪いので引っ張られている可能性はあります。
ともかくこの数字だけで何かしらの結論を出すのは難しそうです。

■環境速度

3-0デッキを見ていくと2マナ域のカードが戦闘力としてはあまり重視されていない事がわかります。
数が多すぎて載せませんが2-1デッキにも同様の傾向が見られます。
軽量クリーチャーで相手のライフを削る戦略をサポートするカードが明らかに少ないのです。

ビートダウンデッキが組みづらいのであれば受ける側のデッキの形もまた変わっていきます。
軽いクリーチャーを無力化する手段をそれほど重要視しなくていいため、更に重くてパワフルなカードを沢山採用するようになります。

■土地枚数

シールドのようなゲームスピードでデッキが重くなりやすければ土地枚数を18にすることは多々あります。
ただし土地枚数に関しては「ドミナリアだから18枚」のように覚えるのではなく、環境に関わらず毎回デッキのマナカーブをチェックして16~18を判断する感覚を身につけたほうが良いと思います。

■先手or後手

お互いが重いデッキを使っていることが分かるサイド後のゲームでは事故率軽減のために後手を選択します。

しかし相手のデッキがわからないメインゲームの段階では後手を選択するのは危険です。
アグレッシブなデッキが相手の場合、大きなアドバンテージを渡すことになります。
これは重いデッキ同士の戦いで後手を選んで得られるアドバンテージよりも遥かに大きなものです。

シールドでは更にゲームスピードが落ちるためメインから後手を選択するケースもあります。

■評価の変わったカード

環境速度が遅くなったことを踏まえ、実際にプレイしてみて評価の変わったカードを列挙します。

○評価ダウン:2マナクリーチャー全般

イクサランの頃は喜んでピックしていた2マナ2/2絆魂という高性能クリーチャーですら、ドミナリアではあまり役に立ちません。
ライフの増減を巡る戦いになりづらいからです。

○評価アップ:飛行クリーチャー全般

シールドのような速度感のゲームでは地上クリーチャーの攻撃はすぐに止まりやすく、飛行クリーチャーの数がゲームを左右することも多いです。
飛行クリーチャーはいつでも強いですが、ドミナリアでは普段より更に重視しています。

○評価ダウン:《秘技での飛行》

飛行クリーチャーは強い・・・とは言いましたがエンチャントではまた別。
相手のライフを序盤から押し込む手段が少ないため、並んでいるところで1体のクリーチャーが飛んでも大きなプレッシャーになる事は少ないです。
逆に優秀な除去が豊富なのでアドバンテージを失いやすく、エンチャント特有のデメリットが目立つため評価ダウン。
《冷水カミツキガメ》にエンチャントできる時だけは強力です。

○評価アップ:《予言》《闇の取り引き》《魂回収》

マナが余りがちなロングゲームで有効なドローソースは漏れなく評価が上がりました。

○評価ダウン:《焦熱の介入》

《焦熱の介入》自体の対処範囲は広く強力なのですが、赤には前のめりなカードが多く、赤いデッキをプレイすること自体がこのカードを有効活用できる可能性を下げていると感じました。
赤くても重いカードの多いロングゲームデッキでは強いカードだと思います。

○評価アップ:《猛り狂い》

アグレッシブなデッキであれば上記の《焦熱の介入》よりも《猛り狂い》の方が欲しいシーンが多いです。
不人気カラーの赤いコモンで戦おうとするなら重要なカードだと思います。

○評価アップ:《始原のワーム》、他6マナの地上クリーチャー全般

重く巨大なクリーチャーは普通のドラフトでは序盤は取りづらいのですが、ドミナリアではプレイするのに十分な時間があるため、早めに集めたいカードになります。
《始原のワーム》はサイズが頭一つ抜けており優秀ですが、他の6マナ5/5等のカードも十分プレイアブル。

○評価アップ:マナ加速カード全般

色を安定させるカードはもちろん、《パワーストーンの破片》や《ラノワールの斥候》、《金粉の水蓮》まで評価が上がりました。
キッカー持ちカードのおかげで余ったマナの使い道は多く、それらを相手より早くプレイできることに価値があります。

○評価アップ:キッカー持ちのカード全般

キッカー持ちのカードは基本的にキッカー後の性能で評価できます。
後半に強力な能力を持ったカードに序盤の攻勢を凌ぐオプションの付いたカードと考えて良いでしょう。

○評価アップ:装備品

ドローソースの評価アップと同じ理由で、マナが余りがちなゲーム後半でも効果を発揮できる装備品の評価はアップ。
盾は怪しいですが残り2つのコモン装備品は十分強力です。

○評価アップ:《獣血蝋燭》

この手のカードは除去がないときに仕方なく・・・という印象でしたが、今環境では起動する時間は十分にあり、アーティファクトシナジーが活かせるシーンもあります。

○評価アップ:《ウルザの秘本》

例によってロングゲームでアドバンテージをとれるカード。

○評価アップ:《這い回る偵察機》

多色化を安定させるカードの評価も上がりました。
基本的に普段のシールドで強いカードは活躍できるような感覚です。

○評価アップ:起動型能力持ちの土地(赤以外)

ゲーム後半にプレイできるカードの枚数を増やしてくれる土地も評価アップ。
特に黒は強力なレアの使い回しができて優秀です。

■ドミナリア特有のメカニズムの評価

続いてドミナリア特有のメカニズムやアーキタイプについて。

○歴史的シナジー
白青のビートダウン戦略に多く見られます。
2マナクリーチャーを多く使って地上で攻める、白の3マナ3/2《アヴナントの罠師》を優先した形が活躍していました。
飛行クリーチャーを優先するなら青の2マナ2/1 《秘宝を追う者》が鍵になりそうです。

○伝説スペル
使おうと思ったら条件を満たすカードが4枚は必要。
緑と白黒のもの以外は優秀ですが、初手で取るのは少し怖いかも。
他に選択肢が無ければ全然アリです。

○キッカー
上でも書きましたがキッカー持ちのカードは基本的にキッカーした後の性能を評価してピックして問題ないです。
もちろん自分が遅いゲームスピードのデッキを作ろうとしていない時は評価が変わります。

○英雄譚
単純に強力なものが多いです。
《フレイアリーズの歌》《氷河期》などはエンドカードになってしまう事もしばしば。
一応歴史的呪文ではありますが、英雄譚自体が強力(orゴミ)なので評価に影響を与えることはあまりありません。
他に英雄譚だからどう、という話があるとすれば《もの悲しい詩人》で回収できることぐらいでしょうか。
《最古再誕》などを含め優秀な英雄譚が複数枚ある時は狙ってみてもいいかもしれません。

○トリプルシンボルのカード
5~6マナのカードとしてプレイしたときに強いかどうか、で評価するとわかりやすいです。
赤のトリプルシンボル《ゴブリンの鎖回し》は状況を選びますが、他4種類はどれもプレイするに値するカードです。
もちろん該当の色がメインカラーになる事が決まっている場合に限ります。
ドラフト序盤は自分の色を強く縛るカードの評価は落ちやすい傾向にあります。

○苗木シナジー
苗木を参照するカードは案外多く、取っておくと単純な横並び強化カード以外の性能も上げてくれます。
また、苗木を参照するカードの大半は別に苗木でなくとも強いのもポイント。
《死花のサリッド》《雑食のサリッド》はどちらも単品で優秀なカードです。

○ウィザードシナジー
ウィザードを参照するものには攻撃的なカードが多いのに、肝心のウィザードに攻撃的な性能のものがあまりいません。
リターンも劇的なものではないため、ウィザードシナジーを意識したピックをするのではなくウィザードが居ない時の性能で評価した方が良いかと思います。

○エンチャント&装備シナジー
うまく組めているデッキを見たことがないのでなんとも言えませんが、強い印象はないです。
エンチャントや装備品がついていることを参照するカードは赤と白にあり、その赤と白のエンチャントが「あまり強くない」「シナジーを意識しなくても強い」のどちらかです。
また装備品が高評価されている理由はロングゲームでの強さにあるのに対し、シナジーカード側はアグレッシブな性能のものばかりでちぐはぐに見えます。

○騎士シナジー
一応書いておきましたがレアにしか無いので気にする必要はないです。
該当レアが取れたときには少し騎士の評価を上げます。
《騎兵呼集》の評価は大きく上げても良いかもしれません。

■ドラフトのメタゲーム

もちろんここで書いたようなドラフトのスピード感に対する認識が多くのプレイヤーに浸透すれば同じことをやりつづけているだけでは優位に立つことはできなくなります。
更に研究が進むと全員が遅いデッキを組もうとすることを逆手に取った超高速デッキが跋扈しだす可能性はあります。
ドラフトにもメタゲームは存在するのです(認識することは困難ですが)。

プロツアーで成功したドラフトデッキを見ていると見たことも無いようなアーキタイプがあり、セオリーに逆行した構築を目指すことにも優位性があるのが分かります。
とはいえ大半の人にとっては基礎の理解が重要。
たくさん遊んで環境理解を深めましょう!

■最後に

正直この記事を書いている途中で晴れる屋ドラフト練習会のカバレージが上がり始めてしまってどうしようかなと思いました。
ただ、特定の人間による包括的な環境考察のような記事は無かったので特に気にしないことにしました。

noteで書こうと思ったのはなかしゅーさんの記事がnoteで売られているのを見ておこがましくも同じような事をしてみたいと思ったからです。
そこで先にTwitterでアンケートを取ってみたのですが・・・

よくわかりませんでした。

どうなるのか分からなかったのでとりあえず公開してみて、もしコレが価値ある情報だと思ったらお布施をいただく形にしてみようと思いました。

反響があるなと思ったら次回以降のエキスパンションでも合宿の記事を書こうと思っています。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。

~~~この下にはお礼のメッセージしかありません~~~


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ドミナリア環境で3日間ドラフト合宿したので記事書いてみた

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ゴサク

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