南の島の神社 女神の踊り
南方の島、小笠原か、伊豆諸島か。考えてみれば、そんな島は現実には存在しないのだが、「福」の字からはじまる島だ。
その島は、南北に長い。地図を見たが、礼文島のような形であった。
その島は、まだ行ったことのない市町村に含まれ、踏破の計画を立てていた。
いや、既にその島に来ていたのだが、そこで計画を練っていたのかもしれない。
島の人達であろうか、島の事を色々話している。若い男と、年老いた男が話していたと思う。その他にも、沢山の人がいたかもしれない。
その中で出て来た話の一つに、この島の北の方に鎮座する、とある神社のことがあった。それはとある山の山頂にある。
その高さもなかなかなのだが、何よりも10合目(と聞こえて来たが、実際の理屈を考えたらそうではない)に大きな川があって、それを渡るのはとても大変だと。
山頂近くは石灰質の白い大地で、ただでさえ滑りやすいのに、その川が削るあたりは、特につるつるで、足を滑らせればたちまちドボン、川に落ちたらあっという間に流されてしまうのだそうだ。
それからしばらくして、私はそのような山中の神社ではなく、その島の里にある、神社に来ていた。
いや、本当に神社なのかは分からない。公民館か、人家の中の、神棚の前だったかもしれない。
そこに一人の若い女性がいた。二十代か、三十代か。
彼女は畑仕事か、海の仕事でもしているような感じで、襷がけにして、袖を肩までまくっていた。衣の色は、青かった。
彼女が神に祈った後、踊り始めた。郷土芸能的な、不思議な踊りだ。何やら歌を歌いながら、一人で拍子を取っている。テンポは結構早い。声は女性にしては低いかもしれない。歌詞は聞き取れない。顔はニコニコとして、嬉しそうだ。
踊るうちに、彼女の衣がはだけて来て、性器まで露わになった。それでも彼女は、全く意に介さず歌い踊り続けている。はだけているのは下半身だけだ。
私はいつの間にか、横になってしまい、意識が朦朧としていた。朦朧とした意識の中、彼女の歌に合わせ、私も拍子を取りながら、踊っていた。最早私の意志に関係なく体が動いた。
やがて意識を失い、視界が真っ暗になった。視界が再度開く。気が付けば、彼女とは別の人物に膝枕して眠っていた。別の人物は男か女かも分からない。
踊りは今終わったところのようだ。彼女は相変わらずニコニコしながら、眠くなってしまうのはしょうがない、そういうものだよ、と私に語りかけた。
そこで目が覚めた。今、これを書いている現実に戻って来た。瞬時に、二重の眠りに落ちていた事に気がついた。
夢の中の、南の島の話だが、あまりにも天の岩戸神話のアメノウズメノミコトの話に似ているので、天の岩戸が降って来て山になったという、戸隠山の写真をヘッダーに使用した。
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