見出し画像

小言が胸に刺さる年

2014、3、31
 風呂が終わって舎房に帰ってくるとさ、点検までに少し時間があるからこの日記を書いたりしてるんだけど、今日は購入した本が届いていたんでページをめくってたんだ。
 すると「点検よーい」の声がかかったので、読んでた本は私物バッグの中に仕舞わなくちゃいけない。
 だけど、どうせまた、すぐに読むんだからと窓際の、廊下からは死角になる窓の下に置いた。
 そこをタイミング悪く、廊下から副担にモロパチされたので俺はすぐに本をバッグに仕舞いなおして点検位置に座った。
 副担は窓を開けて俺に言ったよ。すごい顔してね。
「せこいまねしてんじゃねーぞ、この野郎」って。
 フツーに言えねーのかってーの。「ちゃんとバッグに仕舞え」とくりゃあ「すいません」と言えるのに、「じゃねーぞこの野郎」って。
確かに俺の失敗なんだけどあの言い方と顔がホントに頭くんだよ。
 年取るとさ、言われて腹が立つ反面、反発するのもカッコ悪いから落ち込むんだね。だから、えらい引きずるんだよこれが。
 何にもやる気がなくなっちまう。やはり先日から、俺のバイオリズムは低下していた。気をつけなくちゃいけないのわかってたのにさ。
 昔はこういう時、笑いながら「すみませーん」。なんて言って軽く済ませることができてたのに、どうしてこんなに注意されることが胸に刺さるようになっちゃったのかねえ。
 やっぱりそれも高齢になったからなのか。部屋で一番若かったころは笑って済ませられたものが、年長ともなればみっともないことだって認識があるんだろうね。もう絶対注意されねーぞ畜生。

何日も何日も、畜生って引きずるのは拘禁症のひとつか。
娑婆にまともで出られんのかよ。って思ってたな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?