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2023大雪日記

来年1月の新刊データがようやく埋まってきた。今回は写真旅行記になるので、文章量がレイアウト次第というところもあり、組みながら写真の選定と執筆を並行していて、ちょっと踏み外すと頭が混乱する。しかし今月もちょうど母校で国中文学会があり、情報収集もしたかったので行くことにした。
それに、コーヒーハウスナカザワさんでカレーを食べるよい口実にもなる。開店直後でも混み合っている。「僕ここのカレーが世界一好きです!」と女将さんに話している男性客がいた。まったく同感である。

今回は国中文学会だから、教授陣や学科の関係者が集まる。果たして、小さな学科とはいえ先生方にとっては院進もしていない十年前のいち学生を覚えておられるかどうか。コロナ前は案内を受け取ると来ていた会だけれど、それも数年前のことになるし、知っている先生はどんどん引退していってしまうのだ。
大学敷地内にて、30メートル前に旅人みたいな風情の人が歩いているなと思ったらやはり恩師で笑ってしまった。先生方とお話する機会を伺うために早めに着いておいて正解だった。こちらのことを覚えていてくださると話が早い。今何をしているのかを聞かれるので、仕事の話から学術系出版の話などを聞き込む。恩師に口説かれるままに懇親会の参加を決める。同学年は誰も来ていなかったが、一学年上の先輩とも再会し、今年で引退の先生もおられることだし、他の先生とももっとお話をする必要があったから即決した。

院生の講義がふたつと、外部からの教授の講義が1時間。自分にとっては専門外だけれど、どれも楽しく拝聴した。学生時代はここまで熱心に聴講しなかったなあ。

懇親会でいろんな先生方とお話して、自分が将来やりたいことなども聞いてもらって、あとは今読み進めている「歩天歌」の周辺について詳しい人やよい進め方がないかどうかを中文の先生方に聞いて回ったり、四庫全書データベースを使える場所について聞いてみたり。「ちょっと前まで国学大师が使えたんだけれど…演習室に来たらいいじゃないですか」と言ってもらえるのだけれど、平日は仕事だし、そもそも今は外部の人間なので遠慮しておいた。『世界の名著 中国の科学』(中央公論新社)は中古が安くで出回っているらしく、持っておいても良さそう。あと、恩師が角川のビギナーズ・クラシックスで書いた水滸伝が出るというホットな情報も出た。ちょうど水滸伝を読んでみようかなと思っていたところだったから、そのスタートラインに立つにはうってつけの本な気がする。懇親会のビュッフェは学生食堂に用意をさせたしょっぱいラインナップだし、ビールも缶ビールだったけれど、かなり充実したひとときを過ごせた。先輩経由で同輩の息災も確かめられてよかった。懐かしい話をしたり、もう大学には顔を出していないけれど、自分がやりとりを続けている友人たちも皆元気にやっている旨を伝えられた。
今の学生のようすについても少し聞いてみたが、ある先生によると「十年ごとに変質している。同じ人間とは思えない」とのこと。演習の準備の仕方でも、いろんな書籍にあたって少しずつ考えを深めていくものだが、「もっと効率の良い調べ方はないんですか?」などと平然と聞いてくるそう。ネットの情報は信用しないようにというのが、1回生で最初に教えられた常識のはずだが、コロナ禍を経てなんでもかんでもオンラインで便利になってくると、教わっている側の感覚というのも図太くなっているのだろうか。いろいろ聞いていると信じがたいような話も出てきたりした。職業柄、業界は違えどそういう話はよく聴こえてくるのだけれど、自分の後輩にあたる世代の評判として先生の口から直接聞くと考えるものがある。

学会で一日潰れたが、帰宅後は表紙に取り掛かった。表紙の写真とフォントの組み合わせにうんうん唸る。

日曜はとりあえずの入稿日に設定していた。友人たちのライブもあって夕方までに終わらせると意気込んでいたけれど、体力と精神力の限界に低気圧が相まって午前中は使い物にならなかった。夕方になってようやく取り掛かることができてこつこつと進めたけれど、同時に入稿日を一週間ずらす決断をする。そうすると次は短歌を増やしたくて、浴槽に沈みながら二時間半くらいでなんとか七首詠む。お湯は冷めた。夜更かししたから、翌朝から早起きができなくなってしまい、悪循環。仕事終わりも夕飯後作業に取り掛かるが、締め切りのプレッシャーのせいで「今日はここまで」と切り上げる決断がなかなかつかず、夜更けまで粘ってしまい、悪循環。計画性と、仕事に支障をきたさない程度の睡眠時間の確保、プレッシャーに耐えうる精神力は何年本づくりをしていても課題だ。

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京都での気ままな暮らしを綴っています。日記ですが、毎日書けないので二十四節気ごと、つまり約15日ごとにつけています。それで「二十四節記」と…

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