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2023秋分日記

暑さ寒さも…とは言うが、本当に秋分の日が過ごしやすい天気だったから感心した。日差しは強いが、風がちゃんと涼しい。友人たちがビールのイベントに行くと言っていて、先約がなくなったから合流したのだった。久しぶりに会う友人たち。お酒が入って陽気になり、歩いているだけで心地よかった。たくさん飲み、食べた。

夏のあいだは二日酔いがつらいのでセーブしていたぶん、これからの季節は好きなだけ飲める。立秋日記では「酒は飲みたい分だけ買って箱買いはしない」というようなことを書いたが、実はそのわりと直後にこれはというビールに出会ってしまって、舌の根の乾かぬ内にネットで半ダース入りのを注文した。それも、二カ月で二回も。人間ってわりといいかげんなんですね。スペインビールのボルダムというやつで、おかげでQOLが上がりました。つまみがいらないくらいの濃いビールが好きな方は試しに1本買ってみてほしい。わたしはKALDIで見つけてたまたま買ってみたらアタリだったパターン。シメイ・グリーンを飲んだ時も「これは」と思ったけれど、シメイを半ダースも買うとそれなりにするので……。

これもまたその日の予定がなくなったので、結局みなみ会館へは最終日にも行けることになった。予定がなくなってもすぐに代替案を考えられるところが自分の取柄かもしれない。最後は『ロング・グッドバイ』を鑑賞。チャンドラーをきちんと読みたくなったりした。
自分の好みに偏りがあることはわかっているけれど、それでも日々見聞きする中で自分の知識や教養の幅を広げていきたいとは思っているのだ。努力している、でも指図はされたくない。最近はそういうストレスとうまく付き合うために頭を悩ませている。くだらないとは思うけれど。

みなみ会館は学生時代から孤独な新卒時代を経て今に至るまで、ことあるごとに通っていた。移転で再開したときは本当に嬉しかったんだけど。
それまで大手配給の映画しか見たことなかった自分が、なんとなく通っているうちに、なんとなく自分の好みの方向性がわかってきたという意味で特にお世話になった映画館かもしれない。貼り出されたフライヤーを眺めているとさまざまな思い出が去来した。


以前から気になっていた梅田のトルコフェアへ行ってみた。目当てのバグラヴァを買い、トルコ製のお菓子などを買い、カフェスタンドでトルココーヒーを飲んだ。

ピスタチオのロクムつき
トルココーヒーは粉を沈ませて上澄みを飲み、飲み終わるとカップをひっくり返して澱の模様を占うことができる
模様の一覧表と見比べてみると、くじらに見えなくもなくて嬉しくなる

おみやげに買ったバグラヴァも後日美味しくいただきました。ナーディル・ギュルが作っているちょっと変わった形のバグラヴァ。ターキッシュアップルティー(ドイツ製だけど)と一緒に飲むとちょっと甘すぎたので、そろそろホットコーヒーを淹れてもいいかも。そういう季節なのだなあと思う。

読書会に備えて『村田エフェンディ滞土録』を読みかえしていた

トルコ…初めてトルコへ行ったのは13年前の9月。大学でトルコを研究していた友人と行った。ふたりとも梨木香歩を読んでおり、すでに『村田エフェンディ滞土録』に心打たれていた。わたしにとっては初めての海外、新鮮な驚きの連続だったから、明治時代のトルコと重ね合わせることは難しかったけれど、アヤソフィアの2階の手すりに凭れながら、友人が呟いたことを今でも覚えている。「オスマン帝国がやってきたとき、これを壊そうとしなかったのは…」モザイク画などキリスト教を思わせるものは漆喰に塗り込められて、モスクとして機能させたのだ。友人が何を言いたいのかがなんとなくわかり、それがずっと耳に残っている。来られて本当に良かったと思ったものだった。

下のリンクは当時トルコへ行く前に読んで気に入ったブログ。今でもたまに読み返しては再訪を夢見ている。われわれが行ったのはイスタンブールだけだったけれど、あれからもうだいぶ年月が経ったことを思うと、当時の雰囲気を残してくれている記事のありがたみが増すのです。

トルコで撮った写真が古いパソコンに入ったままだから、なんとかサルベージできないかなと思う。当時やっていたmixiに一部アップしていたから、ログインすれば簡単に閲覧できるのだけれど(こういうときに、どこかSNSに残しておくとのちのち保険になるのだなあ)。
一昨年、チェコの旅行記を9年越しに補完したのだけれど、トルコのほうもやりたくなってきたかも。もう思い出せないことも多いし、文章がうまく書けないなら、当時の画質にはなるけれども写真をメインにして。それこそzineにしたっていいよね。

↓9年越しに完成したチェコの旅行記はこちら

…というようなことを考えながら古いパソコンの生存確認をしてみると、ちゃんと起動するではないか。
これは歴代ノートPCの一番最初のもので、上京前に買ってもらった覚えがある。学生時代の記憶や論文データが詰まっている。これを①として、②は社会人になって新調したもの。これは十年以上使ったけどまだ動くから、コンポ代わりに使っている。③が組版ソフト導入のため今年新調したものとなる。
②を新調した当時、①から②の移行をテキストとブックマークだけやって放置し、時間の経過とともに②がなぜかSDカードを読み込めなくなったせいで、画像データの移行だけが置いてけぼりになっていた。①のウェブブラウザがInternet Explorerのままだったから、クラウドでデータを保存できたはずの期間も終了してしまった。これは単にSDカードリーダーを買えばいいだけの話だったのだけれど、必要性にかられているわけでもなく、mixiに一部アップしていることもあり、面倒で諦めてしまったのだ(いちいち出てくる単語に前時代の情緒があるなあ)。
最新の③にはDVDドライブもなく、USBポートもなく、前時代のスピーカやプリンタが使えないことに気づいたときには驚いたが、ふと目をやってみるとなんとSDカードの差込口があるではないか!これは盲点だった。当時①から②への移行のために画像フォルダをコピーしてから役立つ場面のなかったSDカードをひょいと差してみると、いとも簡単に閲覧できて変な声が出た。なんとこのSDカードには、ガラケー時代の画像まで収蔵されている。久しぶりに見返してみたら、何が写っているだろう…。観光地の景色や無意味な空、今より若い家族や友人。もう少し日常の写真が写っていたらなあと思ったが、当時はスマホを持っていなかったので、今より気軽に撮らなかったのだろう。

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京都での気ままな暮らしを綴っています。日記ですが、毎日書けないので二十四節気ごと、つまり約15日ごとにつけています。それで「二十四節記」と…

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