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「Music Unity2020」っていうすごいイベントをすごい近くで体験した話。

㈱コトワリという小さな会社を経営している、佐藤といいます。突然 note 書き始めているのは、2020年4月4日に「Music Unity 2020」というイベントがありまして、これを書き始めている今は翌日5日なんですが、まだ興奮冷めやらぬ自分がいて、とにかく何か書き留めておかねばいけない気がして書いてます。駄文ですが「Music Unity 2020」という10年後に誰かは思い出として話題に出すであろうイベントを、出演者制作陣とは違った立場で、企画から配信まで表も裏も見てた唯一の人間として書き残しておきたいなと思います。よろしかったらお付き合いください。

自己紹介

まず、「あなたは何をやってる人なのかな?」というのを明確に。

㈱コトワリという会社を経営しています。何をやってる会社かと言いますと、主にIPを使ったイベント企画/宣伝プランニングをやってます。もともとは仙台を本拠地としてやってましたが、近年は仕事がほぼほぼ東京になっています。またイベント企画/宣伝事業とは別に、「AURO Chocolate」というフィリピンのチョコレートの輸入販売をやっています。今回はこの「AURO Chocolate」で「Music Unity 2020」に参加させてもらいました。

秋葉原mograとの出会い

今回「Music  Unity 2020」の企画制作の主人公は秋葉原mogra 代表取締役の山田です。彼でなければできないイベントでした。

mograと山田に出会ったのは約10年前、会社を作ったくらいの時期のお話しです。一番はじめは学生時代からずっと仲良くしてもらっている先輩に、「秋葉原になんか変なクラブがあるから一緒にいこうよ」と誘ってもらったこと。行ってみたらとにかく変な奴がいっぱいいて、なんか気が付いたら毎週そこに遊びに行くようになってました。その辺は去年雇われ店長でぼろくそみたいな生活しか似合わなかった山田君が晴れて代表取締役になった際に襟を正して答えていたインタビューで話してくれていたので良かったら読んでみてください。


「Music Unity2020」が生まれるまで

さて、僕と山田の関係は前段までの通りで、今も結構ハッピーに一緒に鮨くったり酒を飲んだりしてる感じです。

2020年、1月末くらいからでしょうか、現在絶賛進行中であらゆることを制限してくるCOVID-19、コロナウィルスが始まったのは。こいつのせいで僕たちの生活は一変して世間は重苦しい雰囲気になり、小さいなりに会社を経営している身としては、社員を含めてどうやったら生き残れるかのゴールの見えない生存競争に突然エントリーさせられて毎日が突然面白くないものになっていくわけです。

会社の損害はそこそこありまして、弊社ではプロスポーツとアニメコンテンツのコラボイベントを夏までに4試合、またIPを使わせて頂いての商業施設さんでのリアルイベントを2企画進行させていましたが、全て吹っ飛び上半期の見込み売上はまったくなくなりました。また来年がんばろ。

社会全体が同じ状況ですから、特段打開策を講じる事ができるわけでもなく、僕ができる事としては「政策金融公庫へGO」をプレイしはじめるくらいなもんです。

とにかく吹っ飛んだものはどうしようもないので諦めるという事であとはまたがんばろうね!ファイト!!って話なんですが、輸入チョコレート販売事業、これについては「在庫」という問題があり一番頭を抱える事になります。

3月~5月に出展予定していた百貨店さん等の催事は全て潰れました。もちろん輸入商品なので既に仕入れ済みです。フィリピンの農家さんが栽培してくれた素晴らしいカカオで作り上げたチョコレートは販売機会がなく在庫として積み上げられこのままだと在庫から不良在庫へと望まない進化がされるわけです。

で、そんな悩みを抱えてる時にTwitterでふっと目に入ってきたのが「Save Our Space」というライブハウスを守ろうというプロジェクト。

めっちゃ音楽好きなので趣旨もすごい分かりますし、名指しで行政から悪の巣窟くらいに言われてる業種なので、助けてくれ~って声を上げる事の重要性はすごい理解しました。

「声を上げて補償を勝ち取ることっていうのはすごい大事なことだと思っています!」というとても物分かりのいい自分がいる一方で、「おいおいおいおいおいなんぼ名指しで言われていようと1業種だけの問題の時間はとうに終わってて、行政にご指名されてない分余計にめちゃくちゃつらい業種がたくさんありますけど!!!!」っていうダークサイドな嫌な思いが頭をよぎるのもまた事実でした。

入場料とらない販促イベントだってイベントなのに!小売りだって売る機会なくなってるのに!在庫抱えてるのに!っていう凄い自分が嫌になる思いがよぎる。先行きが見えない時って嫌ですね。

でも、敵はもちろん彼らでもないし、彼らが声を上げて行政が動いて補償がされるようになれば素晴らしい事です。

今自分が考える事はずるい!とかうちもつらい!とかいう、妬み嫉みの延長線上にある話でなくて、いかに生き残るか、もうしばらくこの問題は続いていく可能性がめっちゃ高い中で不要不急と思われる趣味性の高いチョコレートをどう売っていくのか、新しい売り方はないのか。一方的な支援でなくてみんながハッピーになれる取り組みってなんかないか、よっしゃなんか考えよう!って結論にたどり着きました。

この時点で頭の中にふわっとしたアイディア(思い付きレベル)がありました。mograでたまにやってる配信時のドネーション、あの感覚でチョコレート売ってもらう事できないかなと。チョコレートの売上をアーティスト/箱とレベニューシェアできたら双方ちゃんと収益はできる、お客さんにも楽しんでもらって気持ちよくお金を使ってもらえたらいいなと。

で、こういう時は顔の作り的にあんまり悩んでなそうな山田に連絡だなと思って3月26日夜にSlackを飛ばしたわけです。飛ばした内容は

・アーティストとライブハウス/クラブの一番の武器は発信力だと思ってる

・「こんな時だからこんな楽しみ方どう??家にいても会わなくてもできるこんな楽しみ方ありますよ」って提案したい

・でもその方法は分からなから山田が考えて欲しい

・その楽しい事に乗っけてチョコレートを売る方法も山田が考えて欲しい

・なんならチョコレート全部mograで買ってもいいよ

・つまり全部山田に考えて欲しいし山田に実行して欲しいと

山田から最初に出てきたのは下記で場合によっては「Music Unity2020」はなかったかもしれません。

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そのあとあーだこーだアホみたいな話をしてたら、山田からこの一言が。

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多分この辺で山田の頭の中で何かがカチっとはまったんだと思う。突然「後はお任せを!拙者はこれにてドロン!」みたいな感じ颯爽とSlackからいなくっていってこの日は終わりでした。

丸一日くらいたった28日に

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という連絡。1枚ぺらかと思いきや既に札幌とか福岡とかまでいろんな所参加しますよっていう具体的な話までまとまった概要書が送られてきて「ほぼ完成形のイベント案やんけまじか。。。」と思いながら年上としての威厳は保とうとそれっぽく誤字の指摘だけしました。

もうこの辺からは、こっちは何もすることなくゴロゴロゴロゴロと偉いスピードで企画が転がっていくのを「何か偉く楽しそうですごそうなものを作り上げていく人たちを一番間近でちょと俯瞰で見てる人」という高校の文化祭で言ったら副担任くらいのポジションをゲットしたわけです。「あとは山田頼んだよ!怪我すんなよ、先生先に帰るからな。」って感じ。たまに飛んでくるSlackみて「うん、いいんじゃない」って返信するのとチョコレートの在庫数を確認するだけになりました。

多分この間に山田は、①各会場の皆さんに連絡して②配信システムの設計して③技術的検証もして④アーティストのブッキング確認をして⑤タイムテーブルを決めて⑥犬に餌やって⑦プレスリリースを作ってって事をやってたはずです。たぶん。とんでもないスピード感で。

唯一途中最初の約束から変えて欲しいってお願いしたことが、AUROの売上で箱/アーティストに渡すよって約束してた分から、病院か子供たちのどちらかに寄付してくれってお願い、楽しい事やって生まれた収益を参加していない外に還元したかったっていう思いからです。大した金額でもないのでエゴと自己満の世界ですね。

mograも参加してくれる各地の箱もアーテイストも名指して「お前ら店閉めとけや」って言われてる人たちには外部に寄付とか酷な話だと思ったんだけど即答で「いいっすね。じゃあ半分渡しましょう!」って快諾してくれた。なんか言いづらいなってちょっと考えたこっちがバカだったなってくらいの快諾で山田って本当はいい奴なのかもしれないなってこの辺で思いました。

迎えた当日

2020年4月4日15時 ここからあのコロナ騒動がはじまって以来はじめて、何の不安も憤りも感じることなく過ごせた10時間がはじまったわけでした。

イベントの内容は、もう見てた人それぞれに委ねるし、自粛でめっちゃ家にいる人が多いこの日の地上波ゴールデンタイムにずーっとトレンド入りしていたこと、同時接続10,000人を超えてきちゃってる事、とにかくもう内容に関しては、エンタメって絶対に世の中からなくなっちゃいけないものだなと思い直せる、一斉に明るくなっていくTwitterのタイムライン見てたら皆やっぱり限界近かったよねっていうのも分かったし、駄文ではつづれない事がたくさん起きてて、とにかくもう最高だった。

一方でじゃんがじゃんが盛り上がってる裏では、アルファで配信しろだのベータで配信してくださいなど良く分からない言葉が飛び交って、だれもリアルで会ってないのに全てが円滑に進行していって、箱から、部屋から、ベランダから、めちゃくちゃな高画質と高音質で視聴している皆さんのもとに届いていくわけですよ。

追記:すごいベランダがこれ


なにこれ、めっちゃ楽しいじゃん。すごいよ配信技研!!

バカスカ売れていくチョコレート。当初今回のイベント名を冠したお得セットを200セット用意してました。200セット用意しておけば足りるだろ~売りきれてくれたらいいな~という前日の想いは配信開始後わずか1時間もたたないうちに達成されてしまうわけです。


すごいぞ、インターネット。この辺からアホみたいな感想しか言えなくなりました。とにかくすごい、よくわからんけどすごい。すごいという感情に支配されてしまったので、もう損益は関係なくある在庫は全て突っ込む事にしました。慌てて倉庫に在庫確認してもらって作れるセット数を出してもらう。配信中に唯一した仕事です。

せっかく各アーティストが最高のパフォーマンスをしてくれて、その結果お客さんが「楽しい!チョコ買うぞ!」ってなってくれてるのに応えないわけにはいかない、なんせすごいんだから。すごいんだもん。

もう後はラストのkzさんまでテイクアウトしてきた鮨とか食いながらTwitterでアホみたいな事いって言われてファボしてっていう最高のインターネットのアレ。

とにかくリアルで体感してない人は見てみてください。この熱気とか。なんか。知らんけど。


時々のぞく裏チャットでは、配信中の音質画質に常に気が配られていてもう本当みんな最高~!!!ていう思いしかなかった。本当に最高だったなぁ。

追記:イベントの接続数とか、すごい。


翌日思う事

配信中はもう最高で、終わった後は家に帰って美味いコンビーフ食って寝ました。でも配信中フィナーレの頃にTLに流れてきたこのポスト見てドキッとした思いが朝起きても残ってました。

今本当に人に会えない、会っちゃいけない。「死ぬなよ、生きてまた会おうな」って言葉を冗談じゃなくて感じなきゃいけない。世界は2ヶ月前とは全く変わってしまって、あの頃楽しいと思ってた事は全部放棄しないといけなくて。

願わくば元の世界にできるだけ早く戻りたい、そのために世界中で戦ってくれてる人がいるからきっと戻れると思ってる。でもしばらくはこの新しいライフスタイルを受け入れないといけないってのは間違いない。じゃあそんな時に何するか、僕はできる限りその状況の中で楽しい事を考え続ける人間でありたいなと強く思いました。

創造力さえあれば何とかなるんじゃないかなって何か昨日すごく思えたんですよね。分からんけど、知らんけど。ダブルパチンコ。最近Yes!アキトが本当に好きです。ダブパチパーカー早く届かないかな。

チョコレートは6日の月曜日21時まで販売が続いてますので、最終売上はまだ確定しておりません。収支については確定したら追記したいと思います。

速報では、ドネーション300万以上+チョコレート販売200万以上で500万は超えたようです。(注:送料込み)

配信で楽しんでもらってモノを売る、エンタメ+小売りでやれる事としての一つの形は作られたんじゃないかなと思います。

もちろん昨日という、重苦しい雰囲気でしばらく耐えてきたタイミングだったりもあってもう一回同じ事してまた同じ結果が得られるとも思ってないし、そんなに簡単な事ではないのも分かってます。

でも、多分山田とその仲間たちはきっとまたその都度上回ってくるものを作れるんだろうなと思ってます。

何か何を書いてるのかよく分からなくなってきますので結びますね。

最高のイベントを作ってくれた皆さんありがとうございました。インターネットでつながったエライ数の人たち、みんなでまたやりましょうね。そしてみんな絶対死なないように。手洗い!うがい!ついでに歯磨き!

ありがとう。

売上収支について(4月7日追記)

皆さんなんかたくさんnote読んでくれてありがとうございました。

4月6日21時まで販売させて頂いたチョコレートの売上計算が終わったので速報値のご報告をいたします。

注文件数:546件

(コンビニ決済等入金待ち含む)
商品売上:‬2,011,640‬円
送料:471,840‬円
合計金額:2,483,480‬円

決済手数料(合計に対して3.6% +1件40円)
2,483,480円×3.6%=89,405円
546件×40円=‬21,840‬円
計111,245円

サービス利用料3%、
2,483,480‬円×3%=74,504円

決済手数料とシステム利用料の合計は185,749円


商品合計から手数料を引いた寄付対象金額は1,825,891‬円となります。

こちらの金額の30%547,767円をライブハウス様へ、また同じく30%の547,767円を医療機関または教育機関へ寄付させて頂きます。

寄付先については、mograさんと相談させて頂き決定次第またご報告いたします。

※計算間違いや手数料率間違いなど検算しておりますが、万が一間違い等ありましたら、随時修正追記致します。

何かエビデンスとなる画像、ちょうどいいのがあればいいのですがBaseをご利用の方にはお分かりいただけるかと思いますが、これだ!というびたっという画面がなく。こちらが現時点(4月7日12時28分)の(商品代金+送料)から手数料が引かれて弊社口座に入金可能な金額ですのでそちらを。

スクリーンショット (69)

以上です。まだ余韻がありますね。ありがとうございました。

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