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公開範囲拡大)Japan IT Week【2023秋】で学ぶ生成AIの最前線:主催者企画セミナーで学ぶ、導入検討者必見のポイント解説

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ChatGPT生成AI最前線:Japan IT Week秋での導入検討必見情報

はじめに

2023年10月25日から27日までの3日間、千葉県の幕張メッセで開催された第14回Japan IT Week秋は、最新のIT技術とサービスが集結したイベントとして、多くの関心を集めました。本記事では、特に注目を集めた「生成AI」にスポットを当て、イベントで得られた最前線の情報を共有します。

主催者企画セミナー:見逃せないインサイト満載

本イベントでは、主催者企画セミナーも開催され、事前参加申込制にも関わらず、多くの参加者が集まりました。セミナーの内容は示唆に富み、生成AIを理解し活用する上で役立つ多くのインサイトが提供されました。この記事では、主催者企画セミナーの一部を紹介します。なお、セミナーは録音録画撮影NGでしたので、写真無しの記事となります。ご了承ください。

平野未来さんの講演:個別自動化から全体自動化へ

株式会社シナモン代表取締役、平野未来さんの講演は、生成AIを活用して個別の自動化を全体の自動化にレベルアップさせる方法に焦点を当てました。彼女は、企業がデジタルトランスフォーメーションを成功させるための具体的な手法と事例を共有し、参加者に多くのインサイトを提供しました。

主なポイント

  • 個別自動化の限界と全体自動化への移行の必要性

  • 生成AIを利用した効果的なデジタルトランスフォーメーションの事例

  • 将来のビジネス展望と生成AIの役割

森正弥さんの講演:生成AIの企業導入ガイド

デロイトトーマツグループパートナー、Deloitte AI Institute所長、森正弥さんは、生成AIを企業がどのように利用できるか、具体的な分類と事例を交えて説明しました。彼の講演は、生成AI導入を検討する企業にとって非常に参考になる内容でした。

主なポイント

  • 生成AIの活用方法と分類

  • 実際の企業における生成AIの導入例

  • 導入プロセスの重要性とデロイトでのサポート


以降では、各講演の具体的な内容について記載しています。

【講演内容メモ】平野未来さんの講演:個別自動化から全体自動化へ

タイトル「自動化を切り拓く未来」

講演者の紹介
  - 元々AIを研究し、学生時代から起業
  - OCRの会社を売却し、新しいAIのビジョンに取り組んでいます
  - ナレッジ回りの変革を目指し、非構造ドキュメントの読解に取り組んでいます

内容は大きく2点
  1. 企業をトランスフォーメーションしていく方法
  2. 生成というイノベーションの本質

1. 企業をトランスフォーメーションしていく方法について
デジタルトランスフォーメーションは企業にとって重要なテーマであり、主な課題は、人材、ビジョン、現場浸透の3つである。組織はホメオスタシス(※1)の罠に陥りがちであり、変わることへの抵抗感が強い。

※1)ホメオスタシスとは、身体の外から受ける環境や内部の変化にかかわらず、身体の状態(体温・血糖・免疫)を一定に保つこと。

企業のAIレベルは、以下の5段階に分けることができる。
- レベル1: AI未着手
- レベル2: AI部分的導入
- レベル3: AI全体的導入
- レベル4: AI活用
- レベル5: AI超越

デジタルトランスフォーメーションによる企業変化は、以下の5段階に分けることができる。
- レベル1: 部分的な自動化
- レベル2: プロセス自動化
- レベル3: 連続的な自動化
- レベル4: データドリブン経営
- レベル5: カスタマーエクスペリエンス向上

デジタルトランスフォーメーションする際の考慮点

  • チェンジマネジメントが必要で、ビジョンを策定し、意識を高め、変革推進チームを結成し、サポートし、計画を立てる必要がある。

  • 長期ビジョンが必要で、短期の危機意識(今期の売り上げが悪いから頑張ろう)だけでは持続的な変革は難しい。短期の刺激では脳のストップ思考を防げない。

  • 変革には組織内影響力とデジタル人材のギャップを埋める必要があり、ビジョンの実行には予算が必要。

  • POCだけでなく、施策の効果を魅力的にアピールするデモンストレーションも重要である。解釈を人にゆだねるのではなく、わかりやすく可視化することが必要。

  • UI(インターフェース)、特にチャットボットやバーチャルアシスタントへの投資が必要。

  • 見える化が重要で、KPI設定は、企業内部の指標ではなく、お客様にとって重要な要素に焦点を当てるべき。

  • パーパスの世界観を映像化し、組織の未来を明確に伝えることが大事。

  • グラブのエコシステムのように、ビジョンを分かりやすく映像化することが推奨されています。

2. 生成というイノベーションの本質について

  • 生成AIがより重要となる。各機能をAIが制御し個別自動化から全体自動化となる。

  • 既存のAI学習プロセスには膨大な時間を要しているが、生成AIを活用することで学習の自動化が進化する。

以上

【講演内容メモ】森正弥さんの講演:生成AIの企業導入ガイド

AI活用と企業ガバナンスの話
AI活用とガバナンスは重要な関係にあり、AI活用をアクセル、ガバナンスをブレーキに例えることができます。これによりバランスを保ちながら革新的な取り組みが可能になります。ガバナンスが不足すると、経営陣は技術活用に躊躇し、結果として大胆な実行や目覚ましい成果を出すことが難しくなります。したがって、AI活用とガバナンスのバランスを適切にとることが非常に重要であり、それが組織にとって大きな価値を生み出す鍵となります。生成AIもこの文脈で重要なテーマとなっています。

生成AIの活用種類について
生成AIに関する企業のニーズは主に以下4つに分類されます。

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