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後藤大Blog

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#エッセイ

強く想うだけじゃなにも変わらない

強く想うだけじゃなにも変わらない

「愛より親切が残る」と僕の好きな本に書いてあった。それを読んだ時にとてもおだやかなのに体の中に電流がかけめぐったような衝撃を受けた。

愛というのは形のないぼんやりしたものだけれど、親切というのはれっきとした行動なのだ。

僕はとにかく目の前のことに感情的になって人間関係でも音楽のことでも失敗を繰り返して来た。その度に落ち込んで反省はするのだけど何度も同じことを繰り返してしまっていた。

それは心

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イモムシの気持ち

イモムシの気持ち

人に指摘されて何くそ!と思っていたことを、今は僕が誰かに感じているなと気づいて不思議な気持ちになった。

地面をもそもそと這いつくばっていたイモムシが蛹になってドロドロに溶けて、蝶になって空を知るように、挑戦している人の価値観は少しずつ変わっていく。歳をとったら大切なものも変わってくる。

そしてイモムシの気持ちをあっけなく忘れて、空から見た価値観を相手に当てはめてしまったりする。あんなに「これが

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あたりまえにありがとうを。

「そんなのやってあたりまえ」と言われた。

僕なりに足りない力と頭と経験をフル稼働させて、一生懸命にやったことにそう言われて全てが萎えてしまった。

結果は大事だ。世の中は基本的に結果しか見てはくれない。そんなことはわかっている。どれだけ愛情込めて作った料理もまずいものはまずいと言われるのだ。

だから自分で何かをやるときは努力を認めてもらおうなんて期待をせず、求められたものを出せるようにしようと

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黒魔術のキメラたち

黒魔術のキメラたち

31歳になった。

別にメッセージがたくさんほしいというわけではないのだけれど、日付が変わった瞬間に1件ぐらいはラインを送ってくれる人がいるだろうと思っていた。

しかしまさかのリアル0件。さすがに少し寂しい気持ちになりつつアレンジの仕事を進めている自分に「やることやって偉いぞ」とセルフエールを贈った。

朝になるとラインは相変わらずだったものの数件来ていて、ツイッターでファンの方からもたくさんメ

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「いいこと」はわざわざ言わなくていい

ステージに立つと「いいこと」や「熱いこと」を言わなければいけない気がしてしまうインディーズミュージシャンというのが一定数いると思う。

シンガーソングライターなら「みなさんも辛いことや悲しいことあると思うんですけど…」という何にでも当てはまることしか言わない占い師のようなセリフが多くて、

バンドなら「今という時間は今しかないから一瞬一瞬を後悔なく生きよう!」みたいなかっこいいことを、マネキンを一

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ポストの胃袋

ポストの胃袋

自転車をこいでいたらふとポストが目に入った。

ポストに手紙を入れると郵便局の職員さんが取りに来てくれて、バイクに積んで宛先の元へ運んでくれる。

と今は知っているけれど子どもの頃はそんな仕組みも知らなかった。

もし何も知らなかったらポストは魔法の赤い箱だっただろう。そこに手紙を入れると渡したい人の元になぜか届いてしまうのだ。

ポストの胃袋がその人の家につながっているように見えたりするかもしれ

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また10年後振り返る時には

また10年後振り返る時には

#10年を振り返る というハッシュタグがツイッターのトレンドに上がっていたので僕もやってみることにした。

10年あっという間な気もするし、長かったような気もする。真冬の路上ライブで人が止まらない時は1曲1曲が果てしなく長く感じたのに、過ぎ去ってしまえばそれも何千日もの中の1日だ。

こうやって箇条書きで振り返ってしまえば、案外やってることってそんなに多くないんだなあと思える。これってこんなに前だ

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それができたら苦労はしない

それができたら苦労はしない

悲しいこととか苦しいことがあると、そこからなんとか前向きなことを見つけて、それをツイッターやnoteに書くようにしていた。

僕なりのライフハック。「こう考えれば乗り切れるんじゃないか」という部分だけをあまり苦しい感情は出さないように書いた。

その方がもがく姿を見てすこしでも希望になるかなと思っていたのだけど、前向きな結論や方法だけ言われても「それができたら苦労はしない」となるのかもしれない。

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答えがないのが嫌

答えがないのが嫌

「答えがない」ということが嫌なのかもしれない。

こうやって文章を書いていても最後にうまくまとめて「こういうことが言いたかったんです」と締めることがほとんど。

ライブのMCも次の曲につながるように考えているし、歌詞もできごと自体よりも価値観を表現するためにできごとを使っていることが多いし、自己分析や、物事を抽象化して本質を探すのが好きなのもそれが理由かもしれない。

これだというものが見つからな

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インディアンカレーでハヤシライス

インディアンカレーでハヤシライス

ハヤシライスとカレーの関係性は人間でいう「家族」だろうか。それとも似ているけど「赤の他人」だろうか。もしかしたら「いとこ」ぐらいかもしれない。

カレーもハヤシもシチューもルーを溶かしてご飯にかけたり(シチューは賛否両論だけど)パンにつけて食べたりするのが主流だから、同じ仲間のような気がするだけなのだろうか。

ギターをアンプに繋いで音を出すのは同じだけど、ロックをやるか、ジャズをやるか、みたいな

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自信をベースに考えない

自信をベースに考えない

自信があるとかないとかではなくて、事実として求められているかどうかで判断したい。

曲もライブもいいのにもっと自信持った方がいいよと何度も言われてきたけれど、言われて分かりましたと自信が持てればもっと早くに持っている。

自分の中から無理やり引っ張り出してくるのも難しい話だけど、他人の評価を自信に変換するのもダメな時期に入ると一気にダメになってしまうからおすすめできない。

結局「自信」とかいうも

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初給料で何を買う?

初給料で何を買う?

みなさんは初給料で何を買いましたか?

という質問をしたら、ああいいなあ。という答えがたくさん返ってきて、初給料に限らず「これのためにお金を使いたい」と思える買い物は素敵だなあと思った。

心斎橋筋商店街を端から端まで歩いても、コンビニの棚をじっくり見ても、なんだか欲しいものが見つからない日の方が多いのだけど、いま初給料をもらったら何が欲しいかなあと考えてみたら、あれが欲しいなというものが浮かんで

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失敗が多い人

失敗が多い人

失敗が多い人がいる。

仕事をしていて何回も同じミスで怒られて、陰であいつは本当に使えないなんて言われたりもする。

たしかに何度も同じ失敗を繰り返したりすることはいいことではないし、世の中はほとんど結果でしか評価をしてくれない。

何かをやるときは「考える」がセットになっていないとあまりうまくいかない。その人の失敗がなくならないのは反省していないからじゃなく考えていないからだ。むしろ反省しすぎて

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歩き方がおもしろい

歩き方がおもしろい

「え、その道から行くの?」
車で家に送ってもらう時なんかにそう思うことがよくある。

基本的には自転車か徒歩で行動するので、いつも車に乗って初めてこの道が一方通行なんだとか、右折禁止なんだと意識することになる。

だからいつも通っている道も、その人にとっては通れない道になるのだ。

でも目的地は同じで「僕の家」だ。

これを例えば「仕事」に置き換えてみる。

「え、なんでそう考えるの?こう考えた方

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