梅田、大丸の屋上から女子高生が飛び降り自殺した。

遠巻きから撮った飛び降りて落ちるまでの映像がツイッターにあげられ、僕も再生ボタンを押した。

コメント欄は「アップするなんて信じられない」「こんな時にスマホを向けるなんて最低」というコメントであふれている。

動画を撮りたい気持ちは分からないけど、その状況に遭遇したらきっと誰かにラインするだろうし用事がなければ野次馬として見届けたかもしれない。

ツイッターで興味を持った人も、動画を再生した僕も、現地で騒いでた人も、動画を撮った人も似たようなもの。驚けば興味がわくし、どこまでいっても他人ごとなのだ。

動画を消せと怒っている人が考えているのは飛んだ子の気持ちじゃなくて自分の正しさじゃないか。行動の質が違うだけで一緒だろう。

昔から存在していた興味と、科学が生んだスマホが組み合わさっただけ。ただものの感じ方が違うだけ。

定かではないけど女の子はジャニーズのチケット抽選に外れたのが原因で自殺したらしい。「そんなこと」と笑う人もいるだろうけどその子にとっては「そんなこと」ではなかったんだろう。

もしかしたら学校でいじめられていたり、家庭環境がめちゃくちゃだったり、レイプ被害にあったことを誰にも言えなかったりして、唯一の生きる希望がそのライブだったのかもしれない。

僕には何も分からない。誰が死んだのかも知らない。ただ馴染みのある場所から飛び降りる映像を見て驚いて、周りと同じように思ったことを書いて、明日、あさってにはもう忘れて生きていくんだと思う。

それはいつも通りなだけ。悪いことじゃない。たぶん。

ONE OK ROCKが世界で戦いたいと言うのを聞いた時も僕は「すごいな〜」と思っただけで憧れたり共感したりはしなかった。僕が見ている世界はスケールが小さいんだろう。

でもそれは不幸なことじゃない。
好きな人がいて、やりたいことがあって、笑って泣いて生きている。

たまにその世界をぐんぐんと広げていける人がいる。それがワンオクだったりジャニーズして、女の子はそこの住人だったのだろう。

きっと知らない人が死んでも無力だとか興味を持つ自分が汚いだとか思う必要なんてない。

僕らは友達と喧嘩したり、恋人にひどいことを言ったり、親孝行できずに後悔したりする。手を伸ばせば届く人、目を開けば見えるもの、それだけでも守ることができたら上出来なんだ。

生きていく中でそれが少しずつ大きくなっていくかもしれない。狭くなっていくかもしれない。

どっちでもいい。できることをやれればそれでいい。僕はそう思う。

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