知らない方が幸せか。
浮気ぐせのある友達がいる。
その彼女はすぐそれに気がつく。
喧嘩しながらも2人はずっと一緒にいる。
幸せなのだろうか。
とあるオーディションに受かったことがある。
自分なりに一所懸命がんばって
この手でつかんだものだと思っていた。
だけど本当は関係者の方が手回ししてくれていたみたいで
実際の結果は音源審査で落ちていた。
それを知った時、感謝の念と同時に
さびしさが押し寄せてきた。
あの情熱で満ちていた日々はなんだったのだろうと。
辛い現実があったとして、
真実を知ること と 知らずに過ごすこと
どちらが幸せなのだろうか。
僕はあまり小説を読まない。
エッセイや自伝は好きだけど小説は少し苦手だ。
それでもいくつか好きな作品がある。
「アルジャーノンに花束を」
知的障害を持つ青年チャーリイは開発されたばかりの脳手術を受け、人工的に賢くなることに成功する。
だけど賢くなったことによって友達だと思ってた周囲にいじめられていたことや、母親に捨てられていたことを知ってしまう。
精神が成熟しないまま知能だけが手術をしてくれた博士よりも高くなってしまって、嫉妬した博士からも嫌がらせを受ける。
あの頃はあんなに賢くなりたいと願っていたのに、叶った途端に孤独になってしまった。
アルジャーノンは先に動物実験で手術の対象となったネズミで
やがてアルジャーノンの知能がどんどん後退していくことを知ってしまったチャーリイは…
というのが大まかなストーリだ。
なにも考えずに高校生活をぼーっと過ごしていた僕に、チャーリイの葛藤はなんだかわからないまま鈍く、ゆっくりと沈殿していった。
そしてそれは大人になってから奥の方でじわじわと痛みだした。
浮気になんか気がつかなければ喧嘩することも疑うこともなかったんだろうか。
裏側なんて知らなければ思い出はキラキラしたままだったんだろうか。
世界の真実なんか知らない方が幸せでいられるのかもしれない。
でも、知ってしまったから辛かったことや
知らなければよかったと苦しくなったことを
たちはだかる壁を乗り越えたり、誰かの気持ちを支えるために使えれば、別の形で幸せを生むことができるんじゃないだろうか。
きっと「不幸な真実」なんて存在しない。
真実はいつもただそこにある。
幸せとは自分がどう見るかで変えられるものだ。
チャーリイが最後どうなったのか。
どんな気持ちになれたのか。
ぜひ読んで確かめて見てほしいと思う。
僕はなんど読んでも温かさと悲しさがぐちゃぐちゃに入り混じった、言葉にできない感情になってしまう。
いつまでも形にできないような、だけど確かに知っている想いがそこにあるから、僕はこの本がずっと好きなのかもしれないな。
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着たい服を選ぶような 雲をつかむような
近くて遠い僕の心
後藤大
シンガーソングライター/作曲家/文章書き
自分をみとめてあげられる瞬間が好き。
Twitter https://twitter.com/gotodai0926
MUSIC VIDEO https://goo.gl/E1ebEPjlVG
提供曲視聴 https://bit.ly/2EmR6sk
Next Live→2/27(水)22:00 ツイキャス定期ライブ
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