大人になってから性格は変えられると思いますか？

僕はNOだと思う。

いつも同じ理由でケンカをする恋人同士。
彼女は一向に浮気ぐせが直らない彼氏に半分諦めながら怒りをぶつけている。

「今度こそ変わってみせるから」そんな聞き飽きたセリフを間に受けることはもうない。愛か情か、結局許すことになったのはその言葉を信じたからじゃない。

浮気をしたくなる性格は一生変わらない。
彼女はそれを受け入れた上で許している。

ちなみに僕は浮気をする勇気もない小さな男です…

では性格が変わらなくても生き方は変えられるか。

答えはYESだと思う。

浮気をしたくなるのはやめられない。
だけど浮気をするかどうかは選ぶことができる。

どうしても無意識に、誘惑に勝てずにやってしまうことだとしても、僕らは自分の意思でやるかやらないかを決めている。

その「やるか やらないか」をコントロールすることが「大人にとっての変わる」ということではないだろうか。

分け合うことが苦手だ。

物も時間もスペースも全部自分の好きなだけ好きなように使いたい。たぶん人に対しても近い感情がある。

おかんと、ばあちゃんと3人暮らしでひとりっ子だった。自分の部屋があって暮らしにも余裕があった。ゲームも漫画も好きなだけできたし、ごはんもお菓子も好きなだけ食べられた。

唯一、思い通りにならなかったのはテレビのチャンネル争いだ。ばあちゃんが巨人のファンで、僕はこち亀が見たかったのにみれなかった。今は複数録画できるし、ネットで見逃し放送もあるからそんなことはないんだろうな。

一緒の家には住んでいたけど、基本的に生活リズムがバラバラで、それぞれの部屋で生活するというスタイルの家だったので、とにかく自分のものは自分のものとして持つことができた。

テレビが自分の部屋にやって来てからはチャンネル争いも無くなった。

僕には「分け合う」という感覚がそもそもなかった。意識もしなかった。
思い返せばそれがいろんな亀裂を生んでいたんだなとわかる。

ちょっと自分の手を止めて手伝いをする時間。
話題を奪わずに相手の話を聞く立ち位置。
悲しんでる人が何に悲しんでいるのか想像する気持ち。

そういうのは全部分け合うことだ。思いやりともいうかもしれない。
浮気をするたびに変わるからと謝るあの彼氏みたいに、なんどもそんな性格を変えようとしてきた。

でも目に映るものすべてをひとりじめしたい性格はもう変えられないんだと思う。

だけど僕にはここまで生きてきた人生がある。失敗、成功、経験がある。その道の上で今生きている僕は「分け合いたい」と思っている。

大人になっても勉強はできる。練習もできる。
子どもの頃やってこなかったことを今から始めるのはきっと無駄じゃない。

ギターを始めるときは大人でも持ち方やチューニングのしかたから教わるだろう。
英語を習うときは会話のはじめは大文字から書きますよと教わるだろう。

なのに人生や人間関係はだれも丁寧に教えてくれない。ギター弾けるんだったらドラムも叩けるでしょ？みたいな感じで判断される。いやいや、ドラムはスティックの持ち方から教わらないと。

子どもが物事を吸収していくようなスピードでは身につかないかもしれない。経験や性格が邪魔をするかもしれない。

それでも1から学ぼう。「チョコレート2つもらったから1個ずつ食べよう。」そんな保育園でやるようなことからやるのがいいのだと思う。

丁寧に練習と勉強をして経験に活かすことで大人にとっての「変わる」にちかづくんじゃないだろうか。

笑われるぐらい小さなことからでいい。
分け合う練習をしていこうと思う。

あなたが勉強したいことはなんですか？

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やりたい、やりたくない、やりたい、矛盾だらけの僕らでもいいじゃないか。

後藤大
シンガーソングライター/作曲家/文章書き
自分をみとめてあげられる瞬間が好き。
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