小さなことを、僕らはとても大切にしている
もう12年も経っているのか。
きれいに改築された天王寺の歩道橋の下を自転車でくぐりながら、大阪芸術大学のオープンキャンパスに行ったことを突然思い出した。
天王寺駅から遠すぎて「これは通えないなと」行きの電車ですでに入学を断念し、別の専門学校へ入った。
その専門学校は入学前と後で対応が違いすぎたこともあり、今ではどこの学校も体験入学者への待遇は関係を持つ前のヤリチン男のように優しく、入学したら急に冷たくなるのだろうかという疑いの目を持ってしまうようになった。
受付でもらった学校デザインのTシャツはどこへ行ってしまったのだろう。捨ててないのにない。台風の日にどこかへ飛ばされたのだろうか。
ボーカルの体験授業ではやたらウィスパーボイスで歌う人がいた。どうも通っているボイトレで息をたくさん使って歌いなさいと言われたようなのだけど、そういうことではないと先生に言われていた。
あとは広くて自然がいっぱいあったことしか覚えていない。
その帰り天王寺駅で路上ライブをやっていた人がいたので少し聞いてチラシをもらった。当時はまだ「魔法のあいらんど」で多くのミュージシャンがホームページを作って、ガラケーでHTMLタグを打ち込んでリンクをつけたり太字にして頑張って運営していた。
12年前は掲示板にお客さんが書き込みをしたりしていた。帰りの電車で歩道橋下のミュージシャンの掲示板にあいさつと一緒に「ちょっとアンプの音量大きすぎかなと思いました」と余計なことを書き込んでしまったような気がする。
あのタイミングで全然言わなくてよかったよなと、ガラケーがスマホになり掲示板がSNSになり、路上の聖地と呼ばれた天王寺が規制が厳しく誰も歌わなくなった今なぜだか思い出した。
こうやってよくわからないタイミングで、頭をかすめもしなかった出来事を思い出して胸がキュッとなることがある。
忘れているようで忘れていない後悔は見えないところでちょっとずつ積み重なっていて、無意識に僕らの性格や考え方を作っているのかもしれない。
そんなどうでもよさそうな小さなことを、僕らはとても大切にしているのかもしれない。
読んでくれてありがとうございます:-D
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