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ウェブ解析を巡る連想 Vol.8  ~  リ-ドナーチャリング (続きの続き)

Step2で見込み客が順調に育成されているかどうかの目安となる指標は、エンゲージに伴うユーザーの満足度を推定しうる指標であり、閲覧意欲≒滞在時間、アクションによる興味喚起度≒クリック率を代表的に取り上げた。今回はコンテンツQについて、これらを補完するその他の指標についても考えたい。

訪問頻度が高いコンテンツは、ユーザー満足度が高いのか。
対象集計期間内に、ユーザーが平均何回当該コンテンツを訪問したかの回数だが、その必然性が高い場合には有効である。つまり、Qの更新頻度が高く、何回でも繰り返し来訪させようという目的ならば、訪問頻度が高い方が望ましい。

平均PV数の多いコンテンツは、ユーザー満足度が高いのか。
ここで注意したいのは、PV数を当該コンテンツ全体とするか、サイト全体とするかで違うこと。前者は、コンテンツQ内の掲載ページ数が多く、できるだけたくさんのページを閲覧して欲しい目的なら、有効である。一方後者は、コンテンツQを通過したサイト全体の平均PV数を意味する。これが相対的に多い場合、Qはサイト内回遊への貢献度が高かったことになる。

訪問回数(過去通算来訪の回数)は、ユーザー満足度を示しうるのか。
まずユーザーを3層に分けてみる。新規ユーザーは初回来訪ユーザー、ライトユーザーは過去2~10回来訪、ヘビーは過去10回以上来訪とすると、サイトが発展するためには、安定的に新規ユーザーを確保し続けなくてはならない。リピーターは徐々に脱落するからだ。ライトユーザーやヘビーユーザーの数が安定的に伸びている場合には、サイトは上昇過程にある。とくにコンテンツQを来訪したヘビーユーザーの割合が高い場合、Qはファン化した高ロイヤルティユーザーに支持されている傾向が強い。

直帰率と離脱率の評価
直帰率は、直接ランディングした流入数が一定数以上ある場合には有効だ。但し流入経路別に判断しなくてはならない。一般的に広告経由は高く、自然検索やダイレクト、メルマガは低い。同じ流入経路で比較して、他コンテンツより直帰率が低い場合には、何らかのエンゲージを誘発できたと考えられる。このためにもクリックイベントの設定は必須だ。似た指標に離脱率(出口数÷PV数)があるがこれは難しい。ユーザーがサイトを離脱する場合、それが目的頁に達して満足したのか、目的頁が見つからず脱落したのかそれだけでは判別できないからだ。離脱率が役立つのは、例えば検索流入の際に使用した検索ワード(GAにおけるGoogleサーチコンソールのみ可能)と離脱頁の関係を読み解く場合だ。

その他指標について
滞在時間のところでも挙げたが、ページスクロール量/スクロール読了率はユーザーのアクションエンゲージを測定でき満足度を推定できるので是非追加設定したい。但しスクロール量(何%までスクロールされたか)は、ページの長さに左右されるので、同じくらいのページボリュームのページ間での比較が適正である。遷移率は、HTMLページ間の移動がないと補足できないが、クリック率の代わりにユーザーの興味喚起がアクションに繋がった軌跡を確認できる。但し遷移にはレベルがあり厳密な順に、直接遷移(次ページへ移行/ページビュー単位)、間接遷移(後に迂回して辿り着いてもOK/セッション単位)、併読(前後関係は問わない/セッションorユーザー単位)とあり、状況によって使い分けるのが正しい。

エンゲージメントの検証は、Webマーケティング評価の最重要ポイントだ。 [ 続く ]

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