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【コーチング】ICF認定ACC 試験対策(Credential exam)

ICFとは

 国際コーチング連盟(International Coaching Federation)とは、1995年、コーチングの普及を目的にアメリカで設立された、世界最大級の非営利団体です。特定の団体に縛られない、最も標準的なコーチの倫理、コンピテンシーを策定し、コーチングスキルの基準となっています。また、ICFの認定資格は特定の教育機関に紐付けられていない資格であり、取得難易度が高く、コーチングの世界では最も権威のある資格と認識され、世界標準のコーチングの基準を満たしていることの証明でもあります。

どんな試験?

 まず、60時間以上のコーチング教育を受けていること、100時間以上のコーチング経験があり、8人以上、かつ少なくとも75時間は有償でなければなりません。メンターコーチ(コーチのコーチ)を10時間以上受けていること。およそここまでが申請の条件みたいなものになります。
 次に、パフォーマンス評価です。20分~60分のセッションの録音と、それを書き起こしたシナリオを提出します。ここで、コンピテンシーがバランスよく発揮されているかどうかが審査されます。
 ここまでは自分の通ったコーチ・エイ㈱のコースに含まれており、Level2という認定を受けられます。セッションのシナリオ起こしは大変でしたが、日本語で提出することができたのは助かりました。

 実質的には、次のICF Credentials and Standardsが実施するコンピュータベースの筆記試験がハードルになります。
 実践のシナリオに対して、4択でそれぞれベストとワーストを選択していきます。これが81問あります。例えばこんな感じです。

A coach recently began working with a client to help them plan for retirement. The client is a well-respected teacher who has taught for 30 years at a local elementary school. The client consistently arrives highly prepared and organized for coaching sessions, routinely reporting progress between sessions and identifying specific topics to focus on during coaching conversations. The client shares they are looking forward to retirement, but they discuss their retirement plans in a very matter-of-fact way. During the current session, the client shares that they have two weeks left before their retirement begins. They would like to focus on a few remaining plans they need to make. Suddenly, the client begins to cry and says, “I’ve spent half my life at this school! I adore my students and my colleagues are my best friends. I can’t imagine what my life is going to be like when I no longer walk through the front doors of the school each morning!” What should the coach do?

・Pause for a moment, then ask the client to identify the remaining plans they would like to focus on today.
・Ask the client if they are sure they want to retire.
・Acknowledge that retirement is a significant life transition and that emotional responses are normal.
・Pause, then acknowledge the emotional impacts the transition seems to be having on the client, and ask if they would like to spend some time with those feelings.

 どれがベストでどれがワーストな対応でしょうか。一見どれも悪くない対応に見えます。答えは、ベストが4番目、ワーストが1番目です。ICFサイトのサンプル問題から引用致しました。(https://coachingfederation.org/credentials-and-standards/credentialing-exam-content#sample-questions

 なぜその答えになるか、根拠はコーチのコア・コンピテンシー 6、Listens Activelyに基づきます。クライアントの感情、エネルギーの変化に気づき、対応するというのがこの場合のベストな対応となります。対して、ワーストとは1番目の選択肢です。

 どれも決定的に違う対応のようには見えません、このような微妙な設問が81問続くというのが、Credetial examです。

対策

 私のとった対策です。
ICF Credential Exam対策は出版でも動画でもコンテンツが非常に少なく、何をしていいのか非常に戸惑いました。

・コアコンピテンシーを覚える

・Sample questionを理解する

・コーチ・エイの集合プログラムに参加
・仲間からのアドバイス
・YouTube;アメリカではいくつかACC Credential examを意識したコンテンツがあるようです。日本ではほとんど見かけません。この方のコンテンツで下記の5つのキーワードが示されています。
1, asking
2,Client Centered
3,Curiocity
4,Awareness of Judgment and Bias
5,Transparency
です。この5つのキーワードは選択肢を決定する助けになりました。

選択肢はあいまいなように見えますが、全て8つのコアコンピテンシーに基づいており、論理的な根拠があります。さきほどのサンプル問題で振り返りますと、
 Pause, then acknowledge the emotional impacts the transition seems to be having on the client, and ask if they would like to spend some time with those feelings.
 "ask"であり、クライアント中心です。
ワーストはこちらでしたが、、
 Pause for a moment, then ask the client to identify the remaining plans they would like to focus on today.
 クライアントの感情を扱っておらず、クライアント中心とは言えません。コーチのシナリオにクライアントを当てはめようとしています。
他の二つの選択肢は、少なくともクライアントを中心に進める姿勢が見えます。

 私は日本語サポートを申請して受験をしましたが、英語も確認しながら解答を進めました。同じクライアントに「言う」でも、”Tell" "Share"など、英語を確認すると違う動詞になっている場合があります。また、”praise" と"acknowledge"も両方「褒める」と訳されています。当然意味合いが違ってきますので、注意が必要でした。"Tell" "praise" はコーチの態度として、あまり選択されないのかなと思います。

向上したスキル

 一財)認定マスターコーチは申請の条件を満たすことで、ほぼ取得することができます。ひとつのコーチングセッションに対して、戦略を描くことを求められますので、それに対して、セッションを構築するコーチングスキルが必要です。ですので、契約した期間のコーチングの中で、それぞれに目的をもってコーチングをすることができます。

 ACC取得にあたっては、難しいケースでコアコンピテンシーに基づいて、
適切な対応が70%以上の確率でできることが求められます。ですのでコアコンピテンシーがほぼ理解できていて、コーチングで応用することができます。
 ACC取得前も、自分が描いた戦略にそってコミュニケーションをすることはできました。しかし、前述のようなケースでは正解を選べないんすよね。コアコンピテンシーを単に知っているというだけでは、どれが最適かは選べないんです。どれも場合によっては正解の対応に見えてしまうんです。
 ACCの取得に取り組んだことで、まずコアコンピテンシーが身に付きました。これだけとっても大きいのですが、これに基づき、どんなケースでもコーチらしい対応ができる自信がつきました。プロフェッショナルとして自信が持てるようになりました。

 ACC取得の意義

 資格を持っていること自体は、クライアントには関係ないと思っています。クライアントにとって有意義な時間を提供できるかどうかが重要であって、資格の有無は問題ではありません。

 ですが、コーチングのコアコンピテンシーは、まさにこういった時間をクライアントに提供するためのコンピテンシーを練り上げたものです。これを身に着けることで、高い確率で質の高い時間を提供できると感じています。

 こういった学習の継続がコーチングの質を高めるのに必要だと、コアコンピテンシーの中でも示されています。

 資格をとるための学習や、超えられたハードルがコーチングの質を高めてくれたと思いますし、それがACC取得の意義だと感じております。

 長文をお読みくださり、ありがとうございました。


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○目標を達成したい方はどなたでも ^^



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